2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350074
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
加納 航治 Doshisha University, 工学部, 教授 (60038031)
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Keywords | ミオグロビンモデル / 一酸化窒素錯体 / 自動酸化機構 / 配位子交換 / シクロデキストリン二量体 / 速度論 / 酸素錯体 / ミオグロビン一酸化窒素錯体 |
Research Abstract |
今年度は我々が開発したミオグロビンモデル(hemoCDおよびFe(II)PCD)を用いて,Fe(II)への一酸化窒素(NO)の配位につき研究した.hemoCDはパーメチル化β-シクロデキストリンの3,3'位をピリジンリンカーで結合させたシクロデキストリン二量体であるが,リンカーにチオエーテル結合を有しているため,この部分がNOと反応して研究には適さなかった,しかし,Fe(II)PCDは2,2'位をエーテル結合で結んだ二量体であり,このものは分解することなくNOを第6配位子として結合した.水中のモデル系で,NOガスを導入するだけで生体系と同じNO錯体を構築した世界で最初の例である.NO-Fe(II)PCD錯体は空気飽和の水中で安定ではあるが,徐々に自動酸化を受けて,Fe(III)PCDとNO_3-イオンへと分解する.この分解反応の機構につき詳細に検討した.主として速度論的な検討を実施した結果,分解反応はゆっくりとしたNO-Fe(II)PCDからO_2-Fe(II)PCDへの配位子交換がシクロデキストリンキャビティー内で進行し,続いてO_2-Fe(II)PCDと近傍にあるNOとが速い速度で反応し,Fe(III)PCDとNO_3-を与えることを明らかにした.生体系のミオグロビンのNO錯体の自動酸化反応について,その機構論的研究がこれまでに2例あり,そのうちの1例は,我々の提出したものと同じ機構を考えている.生体系ではその反応機構を断定することは難しい(多くの因子が反応に関与するため)が,我々のモデル系から,ミオオグロビンNO錯体の自動酸化機構を明らかにすることができた.
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Research Products
(4 results)