2005 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸性窒素の高効率電気化学的無害化のための界面設計
Project/Area Number |
17350075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嶋津 克明 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (30109417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 裕介 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 助手 (60322848)
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Keywords | 硝酸イオン / 電気化学的 / イリジウム / ルテニウム / スズ / 表面界面物性 / 無害化 / シクロデキストリン単分子層 |
Research Abstract |
1.電極触媒特性の系統的評価 硝酸イオンの還元に対する貴金属の電極触媒特性を系統的に明らかにするため、これまで未試験のSn修飾IrおよびRu電極について活性と生成物の電位やSn被覆率依存性を検討した。その結果、(1)Pt、Pd、Rh電極など他の貴金属電極の場合と同様にSnの修飾が貴金属の活性向上に顕著な効果を示すこと、(2)Sn/Ir電極の活性点構造はSn/PdやSn/Rh電極と類似していること、(3)生成物分布からみたN-N結合生成率はSn/Ir電極で極めて高く、Sn/Ru電極では極めて低いこと、(4)N-H結合生成率はSn/Ir電極で極めて低く、Sn/Ru電極では極めて高いこと、(5)Sn/Ir電極でのN_2選択率は負電位ほど高く、最大選択率は約40%とSn修飾貴金属電極では最大であること、などを明らかにした。 2.活性点構造の精密分散制御と安定化のための界面設計 活性点構造の精密分散制御と物質の透過選択性制御ならびに活性点の安定化をはかることを目的に、分子鋳型を用いた界面構造制御の検討を行った。分子鋳型として選択したシクロデキストリンチオール誘導体(CD-SH)単分子層について、高密度単分子層の構築条件を見つけるとともに、CD内空隙およびCD-SH間空隙量の評価を行った。 3.電極のナノ構造評価と吸着種解析 Sn/IrおよびSn/Ru電極について、QCMによる析出量評価とXPSによる成分金属の状態分析を行った。また、Snの脱離が還元活性低下の一因となっていることを明らかにした。さらに、PtおよびSn/Pt電極における硝酸イオンの吸着状態を、表面増強赤外分光法による検討し、吸着種が硝酸イオンであることをはじめて明らかにした。また、吸着状態の電位依存性も調べ、電極表面に対して斜めに配向した単座型硝酸イオンが、還元活性であると結論した。 以上の結果を電気化学会等の学会で発表した(口頭発表9件)。また、質量分析計の故障により遅れたが論文3報の準備が進んでいる。
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