2007 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸性窒素の高効率電気化学的無害化のための界面設計
Project/Area Number |
17350075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嶋津 克明 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (30109417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 裕介 東京学芸大学, 自然化学系, 准教授 (60322848)
中田 耕 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 助教 (90250414)
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Keywords | 硝酸性窒素 / 電極触媒 / 赤外分光法 / 還元無害化 / ナノ構造 / シクロデキストリン / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
研究実施計画に従い、昨年度までの成果を発展させた以下の研究を行った。 1.電極の吸着能と電極触媒特性 FT-IRを用いて、主に硝酸イオン(NO_3^-)還元の中間体と考えられる一酸化窒素(NO)や亜硝酸イオン(NO_2^)から生成する吸着種の構造及びその反応性を検討した。Pd電極上に吸着した硝酸イオンは観測されなかったが、NOは吸着し3種類の吸着種を与える。このうちon-top NOのみが、NO_3^-還元の電位領域で還元活性を示し、硝酸イオン還元の真の中間体と考えられる。Pd電極をSnで修飾するとon-top NOの還元速度が増加し、Snは吸着種の還元を促進する効果を有することがわかった。また、SnはPd電極上への硝酸イオンの吸着も促進する。NO_2^-はPt電極上にN原子で吸着し、還元されると吸着NOへと転化することを明らかにした。 2.ナノ構造制御された電極触媒の調製 チオール誘導体の自己組織化単分子層上に、Au及びPtナノ粒子を5層まで固定した電極を調製した。Auナノ粒子はSn/Pdで、Ptナノ粒子はSnで修飾した後、NO_3^-の還元反応の検討を行ったところ、2-3層目まで、積層による活性の増加が認められ反応場の三次元化がある程度達成できていることがわかった。 シクロデキストリン(CD)吸着層へのPd析出を、会合定数の異なるゲスト分子の存在下で行った。電気化学QCM応答と、Pd析出後のSTM像より、Pd析出がCD空隙で選択的に起きていることがわかり、CD空隙を鋳型として電極触媒活性点を創造できることが証明された。また、CD吸着層をNO_3^- センサーとして応用した。 3.高効率電極触媒の調製 NO_3^-の還元処理速度の向上を目指し、高活性を示す二元金属を炭素電極上に分散する研究を行ったが、非分散系と比べて活性の向上はなく、生成物分布もほぼ同様であった。
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Research Products
(17 results)