2005 Fiscal Year Annual Research Report
高吸着・抗菌能をもつ無機材料によるバイオインフェクション制御
Project/Area Number |
17350076
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山本 修 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (00230540)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 善兵衛 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (90016832)
澤井 淳 神奈川工科大学, 工学部, 講師 (80288216)
|
Keywords | セラミックス / 微粒子 / 炭素 / 被覆膜形成 / 抗菌活性 / 溶解性 |
Research Abstract |
酸化亜鉛や酸化カルシウムなどのセラミックスは,暗所において強い抗菌活性を示すことが知られている。しかし,酸化亜鉛の酸・アルカリ性下における容易な溶解により,また酸化カルシウムの水和反応により抗菌活性が急激に低下する。そこで,本研究ではこれら抗菌活性を低下させる要因を抑制し,抗菌活性を持続的に発現させるために,ナノサイズの気孔をもつ炭素薄膜をセラミックス表面に形成する条件および抗菌活性を検討した。炭素原料として重合度の異なるポリビニルアルコール(PVA)を用いてセラミックス微粒子表面に炭素被覆を行った結果,重合度の増加に伴い炭素被覆量が増加し,凝集体となった。これは,200℃付近においてPVAの粘度が高いためと考えられた。重合度が2000のPVAは炭素被覆膜の形成に最適な前駆体であり,凝集の抑制や表面の均一被覆も良好であることがわかった。ポリ塩化ビニル(PVC)を用いた場合では,PVAと比較して多孔質性が損なわれることがわかった。多孔質セラミックスバルク体の被覆に関しても,重合度が2000のPVAが適しており,重合度が2200以上のPVA及びPVCは均一な炭素薄膜の形成が困難となった。炭素被覆セラミックスの抗菌活性は,酸化カルシウムの場合には無被覆とほぼ同一の活性を示し,酸化亜鉛の場合では炭素被覆により抗菌活性の低下が認められた。また,水和反応および溶解性は,炭素被覆膜の形成により60%の抑制効果が認められた。新規の抗菌性セラミックスとしてドロマイトの抗菌活性を調べた結果,加熱処理温度の増加に伴い増大することを明らかにした。
|
Research Products
(4 results)