2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムタンパク質を素材とする高性能人工生体触媒の開発
Project/Area Number |
17350085
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 高史 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20222226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 俊 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (90283457)
久枝 良雄 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (70150498)
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Keywords | 生体材料 / ヘムタンパク質 / 生体触媒 / ヘム / ポルフィセン / コロール / 酸化反応 |
Research Abstract |
ヘムタンパク質は活性中心にプロトポルフィリンIX鉄錯体(通称ヘム)を有し、様々な機能を発揮していることが知られている。このヘムは通常、非共有結合でヘムポケットと呼ばれるタンパク質マトリクスと相互作用しているため、容易に天然のヘムを除去してアポ化することが可能である。本研究ではこの点に着目し、アポ化したタンパク質に非天然ヘムあるいは金属錯体を挿入することにより、天然とは異なるユニークな機能、あるいは天然を凌駕する特性を有するヘムタンパク質の創製をめざしている。 本年度は、昨年度の研究成果をもとに、以下の3つの項目を重点的に実施した。 1.天然を凌駕する高活性酸化酵素の創製 ヘムの構造異性体である鉄ポルフィセンが、ミオグロビン中で高い触媒活性を示す人工補欠分子であることが見いだされた。そこで、鉄ポルフィセンを天然の酸化酵素であるペルオキシダーゼのアポ体に挿入することにより、天然を超えた酸化触媒機能を有する新タンパク質が得られた。また、再構成ペルオキシダーゼにおける、酸化活性中間体を初めて同定した。 2.新しい高性能補欠分子の探索 ヘムの類縁体である鉄コロール錯体の合成を手掛けた。この新しい人工補欠分子をアポミオグロビンに挿入し、再構成ミオグロビンの構造、物性、反応性を評価し、天然のミオグロビンの約150倍の酸化活性を示すことが明らかとなった。 3.新しいヘムタンパク質集合体 新しい試みとして、ヘム-ヘムタンパク質結合を利用した、ヘムタンパク質のユニークな集合体の構築に成功した。
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Research Products
(6 results)