2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン導電性リン酸二量体電解質を用いた中温領域型燃料電池の創製
Project/Area Number |
17350091
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比野 高士 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授 (10238321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 充 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (90144097)
長尾 征洋 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (40432223)
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Keywords | 燃料電池 / プロトン導電体 / 中温作動 / 無加湿作動 / 薄膜化 / Pt代替化 / Pt活性化 / 炭化水素燃料 |
Research Abstract |
本年度の研究では、始めに賦存量が豊富で安価なカチオンをドープしたSnP_2O_7を探索した。続いて、中温・無加湿燃料電池の特長を活かして、Pt使用量の低減化またはその代替化またはその代替化、及び炭化水素を使用する燃料多様化も併せて検討した。 主な結果を以下に示す。(1)種々のAl原料から合成したAl^<3+>ドープSnP_2O_7の導電率を測定したところ、Al(OH)_3をドーパントとしたときに最も高い導電率(0.19Scm_1@250℃)が得られた。これはAl(OH)_3が他のAl原料に比べて酸性溶液中で溶解しやすいためであった。(2)アノードのPt代替物として遷移金属酸化物や炭化物を中心に探索を行ったところ、Mo_2Cが中温において有望な代替触媒になり得ることが分かった。また、触媒調製時にMoとともにZr種を少量添加することで、アノード抵抗がさらに小さくなり、Pt並の値にまで低下することも見出した。カソードのPt触媒特性を向上するため、カーボン担体上のPt触媒近傍にナノレベルのSn_<1-x>In_xP_2O_7を高分散担持し、三相界面面積を増大することを試みた。このカソードはPt量が0.6mgcm^<-2>であるにもかかわらず、200℃での抵抗が1.5Ωcm^2まで減少し、この値はPt量6.1mgcm^<-2>のPt/Cが示す値よりも低かった。(3)炭化水素を直接燃料として使用することを試みた。その結果、安定したOCVを得るのに200℃以上の作動温度が必要であった;Ptアノード抵抗はPt量の増加、または作動温度の上昇とともに向上した;アノード反応は理想的に進行し、生成物はCO_2のみであった;作動温度が300℃では(2)で見出されたMo_2C-ZrO_2/CでもPt並みの特性が得られた。
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Research Products
(9 results)