2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン導電性リン酸二量体電解質を用いた中温領域型燃料電池の創製
Project/Area Number |
17350091
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比野 高士 Nagoya University, 大学院・環境研究科, 教授 (10238321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 征洋 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教 (40432223)
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Keywords | プロトン導電体 / リン酸二量体 / 燃料電池 / 発電効率 / Pt低減 / 燃料多様性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、100℃以上で作動可能な中温燃料電池を開発することによって、従来の固体高分子形燃料電池(PEFC)が持つ課題を解決し、自動車及び家庭用燃料電池の早期実用化を目指すことである。多くの中温プロトン導電体が150℃以上で導電性を失ったり、もしくは導電率を保つために過度の加湿を必要としている中で、我々が見出したSn_<0.9>In_<0.1>P_2O_7は150から300℃の無加湿条件でも約0.1Scm^<-1>のプロトン導電率を示すことができた。従って、このプロトン導電体を燃料電池の電解質に使用した場合、燃料電池総合効率の向上、Pt使用量の低減もしくは代替化、さらには燃料多様性等が期待できる。 H19年度にPtが150℃以上で一酸化炭素に被毒されないことを示したが、今年度はMo_2C-ZrO_2触媒が同じく中温で高い一酸化炭素耐性を持つことが見出された。この特徴を活かして、メタンからブタンまでの炭化水素を燃料として直接使用するアノード及び燃料電池の開発にチャレンジした。PtとMo_2C-ZrO_2両触媒とも、温度の上昇とともに分極抵抗が減少し、特に300℃ではともに1.2Ωcm^2以下に達していた。また、二つの触媒とも開回路では生成物が全く観察されないが、放電とともに電流効率100%で二酸化炭素が生成していた。二つのアノード触媒の違いは主に燃料電池のOCVに現れ、Mo_2C-ZrO_2の方がPtよりも低電位側で酸化反応を起こすことが見出された。
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