2005 Fiscal Year Annual Research Report
ドライプロセスによる高速イオン移動界面の構築と高出力電極への展開
Project/Area Number |
17350098
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
今西 誠之 三重大学, 工学部, 助教授 (20223331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 敦 三重大学, 工学部, 助手 (60324547)
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Keywords | レーザーアブレーション / インピーダンススペクトル / リチウムイオン電池 / 固体電解質燃料電池 / インターカレーション / 単結晶電極 / 吸着 / 電荷移動 |
Research Abstract |
リチウム電池電極材料であるLiCo_<0.2>Ni_<0.8>O_2の単結晶薄膜をレーザーアブレーション法により作成した。この方法は析出基板の種類を変更する事によって、エピタキシャル成長の方向を変化させることができる。そこで二次元構造を有するLiCo_<0.2>Ni_<0.8>O_2の析出配向性を基板に対して垂直および平行の2種類作成した。この膜に対して交流インピーダンス解析を行う事により、電極反応の等価回路の構築と構成要素の詳細な検討を行った。その結果、電極反応は連続する3つの素反応から構成されていることが分かった。これらを電解液側の外部ヘルムホルツ面から電極表面へのイオンの吸着(溶媒分子の部分的脱離)、電極表面から電極内部へのイオン移動(電荷移動過程ならびに完全脱溶媒和)、電極内部のイオン移動(濃度勾配による拡散)と仮定した。配向性が基板に対して垂直でエッジ面が電解液を向いている場合は3つのプロセスがインピーダンススペクトルに観測された。一方、平行に配向しているものはイオンブロッキング電極と考えられるが、スペクトルには1つのプロセスしか観測されなかった。これは、吸着のみが電極のbasal plane上で起こっていることの結果と考えられ、上で仮定した3プロセスの存在を支持するものであった。 同様の研究を固体電解質燃料電池に対して行った。La_<0.8>Sr_<0.2>CoO_3電極のアブレーション膜を作成し、酸素分子の還元反応についてインピーダンス解析を行った。この場合も計3つのプロセスが観測された。これらは酸素分子の電極への吸着、酸化物イオン化ならびに電極内部への移動(二重結合の開裂、電荷移動、欠陥の移動)、電極内部の移動(泳動)、電極/電解質界面の移動である。活性種である酸素は分子状態では中性で電荷がゼロのため、リチウム電池のときに観察された吸着過程が観測されない。このため実際には4つのプロセスが3プロセスとして現れるが、最も遅いプロセスは最初の酸素分子の電極への吸着であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)