2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドライプロセスによる高速イオン移動界面の構築と高出力電極への展開
Project/Area Number |
17350098
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
今西 誠之 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20223331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 敦 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60324547)
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Keywords | レーザーアブレーション / インピーダンス / インターカレーション / 電荷移動 / 脱溶媒和 / 電子導電性 |
Research Abstract |
レーザーアブレーション法で緻密な電極薄膜を作成し,その表面における電気化学反応の抵抗値を測定することで,反応の起こりやすさを議論した。LiMn_2O_4薄膜の結晶性と配向性を制御し反応抵抗を比較した。その結果,結晶性が高いほど反応が高速化することが示された。また結晶面として111面が優先配向している膜ほど高速反応が可能であった。高速充放電を行うためには,表面の原子配列=結晶構造を制御することが重要であることが明らかとなった。また電解液の影響を検討した。溶媒を変えて反応抵抗を比較し,さらにそれぞれの温度依存性から反応の活性化エネルギーを算出した。活性化エネルギーの値は溶媒の物性値であるドナー数に準じる序列となったことから,脱溶媒和が活性化過程であることが確認された。しかし抵抗値そのものは活性化エネルギーの値と相関性がなく,前指数項因子の影響が大きいと考えられた。これは電極表面に吸着しているイオンの数が溶媒によって異なり,反応抵抗値を支配していると考えられる。 電極活物質が有する電子導電性の電気化学反応への影響について検討した。薄膜電極の厚さを変えて電極のオーム損を大きくすると表面反応抵抗値が連動して大きくなった。この理由として粒子凝集体である膜の電子伝導が均一ではなく,厚みが増すほど表面に到達する電子の実効表面積が小さくなる,すなわち電極の反応サイトが少なくなるためと考えられる。 緻密PLD薄膜電極を用いた本解析は電極反応の高速化に関する有益な知見を与えた。
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Research Products
(11 results)