2005 Fiscal Year Annual Research Report
廃2次電池からの高効率メタン改質触媒抽出による低温作動SOFC電極の低コスト開発
Project/Area Number |
17350101
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三宅 通博 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (30143960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 元秀 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (80222305)
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Keywords | 廃棄物再資源化 / 触媒 / 燃料電池 / 環境材料 / メタン改質 / ニッケル / ニッケル水素2次電池 |
Research Abstract |
平成17年度の研究実施計画に従って、ニッケル水素2次電池廃棄物からの高効率メタン乾式改質触媒の開発を行なった。 1.廃ニッケル水素2次電池の負極材料からのメタン乾式改質触媒合成においては、ニッケル水素2次電池の負極材料の主成分がニッケルであることに着目して、触媒として有用なニッケル系化合物の合成手法の検討を行った。その結果、廃負極材料に塩酸処理を施し、更にアンモニア水処理、攪拌・空気酸化処理、加熱処理を施すことにより、少量のコバルトと微量のランタンを含有する酸化ニッケル単一相を合成することに成功した。 2.メタン乾式改質触媒性能評価においては、上記で合成した酸化ニッケル系化合物の触媒性能を780℃で、メタン/二酸化炭素/アルゴン=10/10/80ml/minの混合ガスを用いて評価した。その結果、廃負極材料から合成した酸化ニッケル系化合物は優れた特性を示し、50時間反応後においても約96%のメタン変換率、約105%の水素選択率を維持した。しかし、反応後、副反応による炭素析出が見られた。そこで、副反応を抑制するため、混合ガス組成を8/12/80、6/14/80ml/minに変更して、検討した。変更により、メタン変換率および水素選択率が改善し、反応後、炭素含有量の少ない金属ニッケルが得られた。すなわち、メタン量を少なくすることにより、副反応であるメタンの分解反応が抑えられ、炭素の消費反応が促進されることが分かった。 以上より、廃ニッケル水素2次電池の負極材料から高性能の酸化ニッケル系メタン乾式改質触媒が合成できることが判明した。現在この結果を基に、次段階の研究、低温作動型固体酸化物燃料電池用電極材料への利用を進める準備を行っている。
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