2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17350107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀧川 敏算 京都大学, 工学研究科, 教授 (50201603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀中 順一 京都大学, 工学研究科, 助手 (00313734)
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Keywords | 光トラップ / 高分子鎖 / 力学 / レオロジー / 有機溶媒 |
Research Abstract |
溶液中の高分子1本鎖の力学物性を実験的に明らかにするための測定装置を作製し、高分子レオロジーの分野において空白域であった分子レベルの実験的知見を得ることを目的とし、高分子鎖の微小な弾性力を高感度に測定するため、微小なバネ定数を実現することができる光トラップ方式を採用した。高分子にとって良い溶媒である有機溶媒において測定するために、従来型の光トラップに加えて浮遊型の光トラップの可能性について検討した。光トラップを使って1本の高分子鎖を捕捉した状態でガラス微粒子と基板の適当な配置を決める問題に取り組んだ。光トラップするレーザー光の強度、溶媒の屈折率および比重、ガラス微粒子の屈折率やサイズを含めて検討を重ねた結果、ある程度の溶媒の選択肢が与えられる条件でも従来型の光トラップを基本に最適条件を決定する方が、浮遊型トラップよりも微小球の変位の測定を安定して行えることがわかった。また、試料の作製は、予備実験の結果よりガラス微粒子への反応時間によって高分子鎖の数を規制する方法をガラス微小球に適用した。以上成果を踏まえて、高分子鎖の力学測定を行った。作製した装置における光トラップの力学測定装置としてのバネ定数は分子量十万程度のやわらかい高分子鎖に対して計算で得られるバネ定数に比べて十分に小さく、1本鎖の微小なバネ定数を決定する能力があることが証明できた。実際には重量平均分子量が約14万のポリスチレン鎖を用いて測定した。力学的な平衡点の近傍において得られたポリスチレン鎖のバネ定数は、ポリスチレン鎖を自由連結鎖であると近似したときに予想されるバネ定数と良い一致を示した。
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