2006 Fiscal Year Annual Research Report
高分子網目をマトリックスとしたバイオミネラルゲルの創製に関する研究
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17350113
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technolog |
Principal Investigator |
岩坪 隆 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (30356539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 健作 静岡大学, 工学部物質工学科, 教授 (60293601)
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Keywords | バイオミネラリゼーション / 高分子マトリックス / 超分子ゲル / 相転移 |
Research Abstract |
高分子網目をマトリックスとしたバイオミネラルゲルの創製(ジンコウバイオミネラリゼーション)に関する研究を行い以下の結果を得た。 ・PVA/PAAをマトリックスとしてその内部にHAPを析出させることに成功した。この系はHAP、炭酸カルシウムあるいは二酸化珪素棟のバイオミネラリゼーション系と相似な系であることが判明した。即ち、当系におけるPVAはバイオミネラリゼーションにおける中性高分子(コラーゲン、キチン等)にPAAはバイオミネラリゼーションにおけるイオン性高分子に対応する。従って当系は人工バイオミネラリゼーション系と呼ぶに値する。 ・当系におけるHAPの形成過程を調べた結果、初期には高分子マトリックスがカルシウムイオンとリン酸水素イオンとからなる超分子ゲルを形成し、これが相転移してPAA/HAP/PVAの有機無機固溶体を形成することが判明した。これはバイオミネラリゼーションにおける骨格形成の基本的統一原理であると考えられる。
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