2006 Fiscal Year Annual Research Report
外部電場印加により相安定関係を逆転させた大型ランガサイト単結晶の成長法
Project/Area Number |
17360002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇田 聡 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90361170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 新明 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80375104)
黄 晋二 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50323663)
藤原 航三 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70332517)
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Keywords | 結晶成長 / 結晶工学 / 相平衡 / 電場印加 / ランガサイト / 化学ポテンシャル / 電気二重層 / 浮遊溶融帯 |
Research Abstract |
[研究の目的] 本研究では、外部電場印加を用いた相平衡関係の変調によって、異相の析出の無いコングルエント状態でのランガサイト(La_3Ga_5SiO_<14>:LGS)単結晶を育成する技術の確立を目標としている。 [研究の成果] 1.外部電場印加における融液内での電場形態 LGS融液は高いイオン性伝導率を示す。外部電場はイオン電荷によって遮蔽されるため、融液内部に存在することができないが、固-液及び気-液界面に形成される数nmの非常に薄い電気二重層内に、10^4〜10^5V/cmという巨大な電場として存在することが分かった。これは、理論的に求めた、LGSのコングルエント化に必要な電場の大きさと一致しており、LGSのコングルエント化は、電気二重層内の電場により達成されたと考えられる。 2.ランガテイト結晶の電気伝導機構 LGSと同じ結晶構造を持つランガテイト(La_3Ta_<0 5>Ga_<5.5>O_<14>:LTG)結晶の浮遊溶融帯(FZ)成長を行い、その電気伝導機構について調べた。FZ法とチョクラルスキー(CZ)法によって育成したLTG結晶を比較した結果、CZ法で育成した結晶にはルツボ材であるIrが混入し結晶の抵抗率を低下させることが分かった。また、LTG結晶について輸率の測定を行い、720℃以下の温度域では電子伝導性が支配的であり、720℃以上の温度域ではイオン伝導性が支配的となることを見出した。 3.外部電場によるYBCO結晶成長過程の変調 YBCOの123相(YBa_2Cu_3O_<7-x>)の結晶成長過程に対して、外部電場印加がどのような影響を及ぼすかについて、その場観察実験及び示差熱分析を用いて検討を行った。123相と液相及び211相(Y_2BaCuO_5)との包晶反応において、外部電場印加は、211相の溶融過程と123相の核形成過程にのみ影響を及ぼすことが分かった。
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