2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋本 克洋 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90251040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 岳暁 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00344870)
GOUTAM Paul 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 研究員 (80375419)
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Keywords | 希土類 / GaN / 分子線結晶成長 / ルミネセンス / エネルギー移動 / 発光センター |
Research Abstract |
希土類添加GaN結晶成長条件の最適化および光学的特性の評価を行った。 結晶成長はアンモニアを用いたガスソース分子線法で行い、基板にはサファイアヤ(0001)を用いた。希土類を添加しないアンドープGaNの最適成長温度は900C程度であるが、この温度でEu,Tb,Er等の希土類を添加してもほとんど取り込まれない。成長温度の低温化で希土類の結晶中への取り込み率は上がることが見出された。発光強度が高く、比較的取り込み率も高い条件として、希土類の種類によらず700C程度であった。 希土類発光の濃度依存性をしらべ、最適(発光強度が最も強い)濃度として、希土類によらず2〜3%であることがわかった。希土類の種類によらず成長温度や最適濃度が一致するのは希土類の化学的性質がほぼ同じであるからと考えられる。希土類濃度2〜3%までは単結晶成長するが、より高濃度では多結晶となる。3%以上では希土類の窒化物が検出されたことから、濃度消光の原因は希土類元素の偏析が一つの原因となっていることがわかった。EXAFS解析の結果から、Eu,Tb,Erともに再近接原子はNで、4配位している構造と同定された。 フォトルミネセンス測定、励起スペクトル測定により光学的性質を調べた。Eu,Tb,Er,それぞれ3価イオンに対応する発光ピークが測定された。発光の半値幅は〜10meV程度(77K)であり、温度変化によりピーク位置のシフト、強度変化は、GaNのバンド間遷移に比べ、1桁〜2桁変化が小さく、温度変化に対して安定な発光であることがわかった。励起スペクトルよりEu,Tb,Erともに母体励起であることがわかった。このことは、希土類添加GaNを活性層に用いてキャリアの注入により発光させることが可能であることを示しており、温度変化に対して極めて安定な発光デバイスの作製の可能性を示すことができた。 発光強度は同程度の添加量でEu,Er,Tbの順番で弱くなり、これらは希土類に配位する窒素の配置構造の違いに起因していると考えている。GaNはバンドギャップエネルギーが約3.6eVと大きく、赤色や赤外発光の場合励起のエネルギー損失が大きい。そこで、母体材料としてZnO,Cu2Oなどの検討も開始した。
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Research Products
(5 results)