2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい室温磁性半導体MnGeP_2を用いたトンネル磁気抵抗素子の作製
Project/Area Number |
17360009
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 勝昭 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (50170733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 義隆 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (00272633)
石橋 隆幸 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 助手 (20272635)
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Keywords | 室温磁性半導体 / トンネル接合 / 磁気抵抗効果 / 微細加工 / 分子線エピタキシー |
Research Abstract |
今年度は分子線エピタキシー法を用いたMnGeP_2薄膜の品質の向上と、MnP薄膜の作製および評価を行った。また、トンネル接合プロセスのためのフォトマスクの設計、低温プローバーの導入、計測システムの構築を行った。 MnGeP_2薄膜については、熱力学計算による最適な成長条件を求めた。その結果、750℃以上の基板温度で成膜することによって異相の析出を押さえることが可能であることが分かった。そして実際に成膜を行った結果、PおよびMnの再蒸発のために700℃以上での成膜は行えなかったが、これまで行ってきた400℃付近の温度より高温の650℃程度の基板温度で作製することにより、MnPなどの異相の析出を抑制することに加え、大幅な結晶性の向上を実現した。さらに、GaAs(111)基板上に成長させたGeバッファー層上に成長させることによって、これまで困難であった平坦な薄膜の作製に成功した。一方、MnPは290K程度にキュリー点を持つ強磁性であるが、これまでほとんど薄膜作製の報告例がない。しかし、MnGeP_2やGeとのヘテロエピタキシャルの可能性があり、スピン注入用電極としての応用も考えられるため、MnP薄膜の作製を試みた。その結果、GaAs基板上にMnP薄膜を成長させることに成功した。さらに、これまでに報告例のないMnPの磁気光学スペクトルについても明らかにした。また、得られたMnP薄膜はこれまで報告のあったバルク結晶で見られる低温での磁気相転移が見られないといった新規な特性を示すことも明らかにした。
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Research Products
(6 results)