2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元フォトニック構造を利用した液晶レーザーの開発
Project/Area Number |
17360014
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
城田 幸一郎 独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (00291071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深野 天 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 研究員 (80373364)
武安 伸幸 独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 基礎科学特別研究員 (90373323)
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Keywords | 液晶 / フォトニック結晶 / 自己組織化 / 高性能レーザー |
Research Abstract |
本研究は、液晶相が自発的に形成する3次元フォトニック構造を活用し、そのバンドギャップ内にフォトンを閉じこめることにより、低閾値で発振する液晶レーザーを開発することを目的としており、本年度は青色(BP)相を用いたレーザー発振を実現した。 1.青色相の確認 ネマチック液晶にキラル化合物を高濃度ドープした試料を温度制御しながら、偏光顕微鏡により組織観察し、青色相の同定を行った。ホットステージで青色相を保ちながら、反射スペクトルを測定し、3次元結晶構造の各結晶面での反射を確認した。体心立方構造をとるBP I相では(110)面によるバンドをレーザー発振に用いる。反射スペクトル測定の結果から、蛍光色素としてPyrrometheneを選択し、色素ドープ液晶において、フォトニックバンド内での蛍光抑制とバンド端での蛍光増強を検証した。 2.コッセルダイアグラムの観察 波長405nmの半導体レーザーを光源とし、高開口数対物レンズ備えた落射顕微鏡を用いてコッセルダイアグラムの観察を行った。試料からのブラッグ反射光を対物レンズの後焦平面に結像し、リレーした像をカラーCCDカメラで観察した。得られた回折パターンから結晶面を同定した。 3.レーザー発振の確認と評価 温度制御したBP I相において、センチメートルサイズの(110)面を作成し、レーザー発振用の試料とした。作製した色素ドープ青色相を波長530nmのフェムト秒レーザーパルスにより励起したところ、バンド端でのレーザー発振に成功した。3次元フォトニック構造を持つBP相での発振閾値は1次元のキラルネマチック相に比べ、約半分にまで低減できた。
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Research Products
(1 results)