2005 Fiscal Year Annual Research Report
方位角走査反射高速電子回折による磁性ナノ人工格子界面の研究
Project/Area Number |
17360016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
虻川 匡司 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (20241581)
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Keywords | 界面 / 磁性 / 電子回折 / 巨大磁気抵抗 / トンネル磁気抵抗 / ラフネス |
Research Abstract |
本研究の目的は、トンネル磁気抵抗素子(TMR)や巨大磁気抵抗素子(GMR)の磁気抵抗に大きな影響があると考えられている磁性層と非磁性層の界面のラフネスを方位角走査反射高速電子回折(φ-RHEED)を使用して調べ、磁気抵抗に対する界面のラフネスの役割を明らかにすることである。本年度は主に測定装置の製作と組み立てを行った。 はじめにφ-RHEEDに不可欠なエネルギーフィルターを製作した。フィルターは、3枚の球面メッシュに金をメッキし、枠に点溶接で取り付けたものである。次に既存の超高真空槽に作成したエネルギーフィルタ、既存の電子銃、5軸試料マニピュレータを装着し、φ-RHEEDの測定が行うための装置を組み立てた。この状態で超高真空に排気して装置の試験を行ったが、試料の回転、エネルギーフィルタに問題は無く、φ-RHEEDによってSi表面の構造解析が行えることを確認した。次に磁性ナノ人工格子を作成する基板の清浄化を行うための3KVイオン銃(購入備品)を取り付けた。また、人工格子の組成をオージェ電子分光により評価するために静電半球型電子分光器(購入備品)をφ-RHEED超高真空槽に取り付けた。実際に、Si等のテスト試料を用いて取り付けた静電半球電子分光器の調整を行ったが、強度・分解能ともに仕様を満たしており、オージェ電子分光により表面の組成分析が行えることを確認した。 以上のように装置の組み立てがほぼ完了し、装置の動作の確認と調整も順調に進んでいる。
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