2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360019
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荻野 俊郎 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70361871)
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Keywords | カーボンナノチューブ / ナノテクノロジー / バイオテクノロジー / 化学気相成長 / フェリチン / DNA / 生体分子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、カーボンナノチューブ(以下、CNT)により、生体分子を空間中に固定するナノ反応場を形成することである。平成17年度には、CNTネットワーク構成に必須の技術であるCNTの接木技術、CNT垂直成長、フェリチンの利用、および、生体分子固定を行った。様々なCNTネットワーク、例えばTEM(透過型電子顕微鏡)観察試料台や生体分子固定場として応用の広いカーボンナノメッシュ等を形成するには、CNT表面からさらにCNTをつないで成長させる技術(接木)が必要になる。架橋CNTを化学気相成長(CVD)により形成し、ついでそのCNT上に真空蒸着により鉄やコバルトなどの触媒微粒子を形成する。その後、2度目のCVD成長によって接木を行った。蒸着や2度目の成長条件を選択することにより、CNT上からの成長を実現することができた。これは、自由空間中からCNTが成長するため、成長過程の観察技術としても有用であり、実際TEM観察してみると、触媒とCNT成長の関係が明確に観察される。 CNTの架橋成長は比較的容易に行うことができる。しかし、3次元ネットワーク化を図ろうとすると、垂直成長も必要となる。方向制御として有力なのは電界印加である。外部から狭いギャップを通して電界を印加した結果、垂直にCNTが成長することが確認された。 フェリチンは、直系にして数nm相当の鉄を内包するタンパクである。フェリチンを用いると微粒子が微細なまま保たれるためCVD成長の低温化が達成でき、最も低い温度として、600℃でも単層のCNT成長(従来は900℃)が確認された。 CNT表面への生体分子固定としてDNAを取り上げ、1本鎖と2本鎖の吸着特性の相違、CNT上と溶液中でのハイブリダイゼーション効率の相違、等を明らかにした。
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Research Products
(3 results)