2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360019
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荻野 俊郎 Yokohama National University, 大学院・工学研究院・教授, 教授 (70361871)
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Keywords | 生体材料 / 先端機能デバイス / ナノチューブ / ナノバイオ / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本研究課題の目標は、(1)カーボンナノチューブ(以下、CNT)/生体分子ナノ集積デバイスへ向けたCNTの配列制御、(2)CNTのバイオ・医療応用へ向けた生体分子吸着特性解明、の2点である。この目標に向けて、CNTネットワーク構成技術と生体分子・固体基板とCNTとの構造制御を行った。 CNTネットワーク技術に関しては、バイオテクノロジーへの応用を意識して、前年度まで重視していた化学気相成長(以下、CVD)から、室温・溶液中でのネットワーク形成技術へと発展させた。まず、局所的構造の制御として、走査プローブ顕微鏡(以下、SPM)を用いた架橋CNTの加工と観察を行った。初期試料はCVDで作製し、大気中または溶液中で架橋CNTを観察するとともに、探針の押し込みに伴うバンドルの構造変化や探針の振動に対する溶液中での応答特性等を調べた。 生体分子との相互作用に関しては、最も重要なのはタンパク質分子と細胞膜のモデルとなる脂質二重膜である。CNTネットワーク形成と言う観点から、アビジン(タンパク質)をパターン化したSi基板上に、ビオチン(アビジンと特異的に反応するビタミン)化したCNTを選択的に結合させることに成功した。さらに、CNTを形成したサファイア基板上に脂質二重膜を展開し、CNT/脂質二重膜複合構造の形成の基礎技術を構築した。この構造は、脂質二重膜を生体適合性に優れた絶縁層とみなし、CNTを半導体細線と考えると、生体単分子に対する理想的な電界効果トランジスタ構造である。本期間中に、CNTを覆う脂質二重膜の形成とともに、脂質二重膜の端がCNTに沿うような構造の形成も確認された。
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Research Products
(62 results)