2006 Fiscal Year Annual Research Report
超短光パルスを用いたピコ秒剪断音響波パルスの生成・検出とその応用
Project/Area Number |
17360024
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 理 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30239024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WRIGHT O・B 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (90281790)
友田 基信 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (30344485)
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Keywords | レーザーピコ秒超音波法 / ポンププローブ分光法 / 剪断音響波 / 非破壊検査 / 光弾性効果 / 光散乱 / 2次元イメージング / 異方性 |
Research Abstract |
ピコ秒時間幅の音響波パルスを用いて、物質のナノメートル内部構造やピコ秒時間域の電子と格子のダイナミクスを調べられる。特に、音響波パルス生成・検出に超短光パルスを用いるレーザーピコ秒音響法と呼ばれる方法は、多層薄膜構造の各層膜厚と弾性定数の測定や、物質中の超高速光励起キャリアダイナミクスの研究に活用されている。従来この方法では、試料の対称性による制約のために主として縦波音響波のみが用いられてきた。縦波音響波に加えて勢断音響波を用いるならば、より広範な種々の物性が調べられ、レーザーピコ秒音響法の有用性が大きく増大するだろう。本研究では、このようなピコ秒勢断音響波発生・検出技術を開発し、これを様々な材料・構造評価や物性研究へ応用する。 剪断音響波パルス生成・検出の基本技術の開発のために以下の研究を行った。 1.Zn単結晶の低対称性面上にSiO2薄膜を形成した試料に対する斜め入射プローブ光学系を用いたレーザーピコ秒音響波発生・検出の精密な実験結果を定量的に解析するための、不均一媒質に斜め入射する光の散乱理論を発展させた。現在この結果を論文投稿すべく準備をすすめている。 2.GaAs単結晶の低対称性面を用い数10GHz領域の音響波が水およびグリセロール中を伝播する様子を観測する予備実験を行った。 3.異方性を持つ不均一な媒質中における音響波伝播の理論を構築した。この成果は既に専門誌に投稿・受理され現在印刷中である。 4.ピコ秒超音波法を用いて試料表面をマッピングするための2次元走査技術を開発し、異方性を持つ銅単結晶および人工的に作製した周期構造(フォノニック結晶)表面を伝播する表面波の観測を行った.
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Research Products
(5 results)