2007 Fiscal Year Annual Research Report
ワイドギャップ酸化物薄膜のテラヘルツ・新光学素子への展開
Project/Area Number |
17360029
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市川 洋 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 教授 (10314072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 正也 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (30203110)
猿倉 信彦 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (40260202)
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Keywords | テラヘルツ / 光学素子 / 酸化物薄膜 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ワイドギャップ酸化物材料の薄膜から成る光源,光変調機能一体化、テラヘルツ波用光学素子に関わる要素技術開発にある。本年度得られた主要な成果は以下のとおりである。 ○有機金属溶剤を用いた有機金属堆積(MOD)法により,ワイドギャップ酸化物材料NiO,ZnO,Al_2O_3の薄膜化を行い,それぞれバルク材料に合致した光学特性を有する透明薄膜をサファイア,ガラス基板上に作成することができた。本成膜プロセスは,スピンコート法によるものであり,テラヘルツ波用光学薄膜の大面積化,厚膜化プロセス技術を確立することができた。 ○可視光領域で透明なシリコンゴム(PDMS)の,長波長領域での分光特性を調べた結果,PDMSは,テラヘルツ波(周波数;0.5〜4THz)領域でも,ほぼ透明であることがわかった。直径数10nmのZnOナノ粒子を分散させたPDMS原液を,スピンコート法でガラス基板上に塗布し,加熱、固化することで,ZnOナノ粒子分散薄膜の作成を試みた。薄膜のテラヘルツ波に対する透過率は,膜中へのZnOナノ粒子の分散量を変えることで,調整できることがわかった。本研究によるナノ粒子分散PDMS膜は,基板形状,材質に依らない,回折格子,フィルター等のテラヘルツ波用光学素子に応用できるものと考えられる。 ○ZnO薄膜を使った弾性表面波発振によるテラヘルツ波の変調は達成できなかったが,テラヘルツ波、波長(100μmオーダー)に相当する10MHzでの弾性表面波発振をLiNbO_3結晶で得ることができ,本研究で構想した光学素子を構成する要素技術の開発は達成することができた。
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Research Products
(1 results)