2006 Fiscal Year Annual Research Report
ピコメートル変位計測のためのフェムト秒光コムを用いた絶対光周波数走査干渉計の研究
Project/Area Number |
17360034
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) |
Principal Investigator |
美濃島 薫 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (20358112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾藤 洋一 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (30357842)
川戸 栄 福井大学, 工学研究科, 助教授 (60313730)
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Keywords | 光コム / ピコメートル計測 / 超短パルスレーザ / モード同期レーザ / イッテルビウム / 干渉計測 / 共振器 / 変位計測 |
Research Abstract |
本年度においては、下記のテーマを共同・分担して行った。 1.モード同期固体レーザの高効率・高出力化 共振器内部に利得媒質とは別にカー効果材料を挿入することにより、それぞれを最適化し、安定性と高効率動作を両立させるモード同期発振器を開発した。カー効果媒質として励起していない準4準位レーザ媒質を用いることにより、発振スペクトルを1050nm帯の波長域にシフトさせ広帯域化を行った。ビーム品質が悪く低輝度の半導体レーザを用いても、平均出力400mW、光-光変換効率20%という高効率かつ高出力が得られた。 2.波長コムの作成 連続発振Nd:YAGレーザを、低熱膨張ガラスで作成した基準共振器の光路長に同期させることにより、測定環境における空気中の波長を安定化し、光基準として用いた。モード同期レーザの繰り返し周波数を制御し、光基準に安定化することにより、各モードの光周波数ではなく波長が制御されている光コム、すなわち「波長コム」という新概念を実現した。 3.干渉計の高精度同期 低熱膨張ガラスで変位測定用のファブリーペロー干渉計を作成し、波長可変CWファイバレーザをその光路長に同期させた。波長可変レーザの光周波数を光コムによって測定し、干渉計の静止安定性を評価した。その結果、通常の光周波数コムを用いた場合には、環境変動による空気屈折率変化により、測定値に1時間で10nm程度のドリフトが見られたが、開発した波長コムを用いることにより環境変動の影響は補正され、変動10pm程度の高安定性が実現された。 4.変位測定の実証 ファブリーペロー干渉計の一方のミラーを移動ステージに搭載して変位を与え、波長コムによる高精度変位計測の実証を行った。ステージとして、市販のナノメトロロジー用の高精度ステージを用い、移動量12μmにわたり100pm以下の不確かさで、その安定性と非線形性を評価できた。
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Research Products
(4 results)