2007 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーと電子ビームを用いたテラヘルツコヒーレント放射光の生成
Project/Area Number |
17360039
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
加藤 政博 Institute for Molecular Science, 極端紫外光研究施設, 教授 (30185871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持箸 晃 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 助教 (10342635)
島田 美帆 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 特別協力研究員 (10442526)
保坂 将人 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60290897)
高嶋 圭史 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40303664)
木村 真一 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 准教授 (10252800)
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Keywords | シンクロトロン光 / コヒーレント / テラヘルツ / 加速器 / レーザー / 電子ビーム / 放射光 / 電子蓄積リング |
Research Abstract |
通常の放射光の強度は、放射に寄与する個々の電子からの放射強度の単純な和となるため、電子数に比例する。しかし、これら電子が、放射する光の波長以下の空間領域に集群している場合には、個々の電子からの放射電磁場は同位相で重畳し、その強度は電子数の二乗に比例するようになる。これをコヒーレント放射光と呼ぶ。 我々はレーザーを用いて電子ビーム上にサブミリメートル程度の空間スケールの周期的な密度変調を作り出す独自の技術を開発した。振幅変調のかかったレーザーパルスを生成し電子ビームと交番磁界中で相互作用させることで振幅変調と同じ周期の密度変調を電子パルス上に形成する。レーザーの振幅変調周期を変えることで電子密度変調の周期も自由に変えることができる。このような電子パルスが一様磁場中を走ると密度変調と同じ波長で単色且つコヒーレントなシンクロトロン光を放出する。我々はこの手法を分子科学研究所のシンクロトロン光源UVSOR-IIに適用することにより、テラヘルツ領域で準単色・波長可変のコヒーレント光を発生することに世界で初めて成功した。その強度は通常のシンクロトロン光に比べて1万倍以上強いものであった。シンクロトロン光=白色、という常識を覆す結果であり、この成果はネイチャーフィジックス誌に掲載された他、国内・国際会議などでも発表された。この手法は、既存のシンクロトロン光源の多くに導入が可能であり、大強度でコヒーレントな準単色テラヘルツ光を比較的手軽に発生できる手法である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Tunable narrowband terahertz emission from mastered laser-electron beam interachon2008
Author(s)
S. Bielawski, C. Evain, T. Hara, M. Hosaka, M. Katoh, S. Kimura, A. Mochihashi, M. Shimada, C. Szwaj, T. Takahashi, Y. Takashima(著者アルファベット順)
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Journal Title
Nature Physics (Published online):30 March 2008
Pages: doi:10.1038/nphys 916
Peer Reviewed
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[Presentation] Recent Developments at UVSOR-II2007
Author(s)
M. Katoh, A. Mochihashi, M. Shimada, J. Yamazaki, K. Hayashi, M. Hosaka, Y. Takashima
Organizer
The 22nd Particle Accelerator Conference
Place of Presentation
Albuquerque,USA
Year and Date
20070625-29
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