2005 Fiscal Year Annual Research Report
配線損傷の高精度予測に立脚した電子デバイス長寿命化のための回路設計指針の新規策定
Project/Area Number |
17360045
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
笹川 和彦 弘前大学, 理工学部, 助教授 (50250676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂 真澄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20158918)
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Keywords | エレクトロマイグレーション / 半導体集積回路 / 長寿命化 / 微細化 / 高密度実装 / 電子パッケージ / 金属薄膜配線 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
初年度は次に示す3項目の研究を実施し,配線の構造・形状の観点から指針の策定を図った。 1.代表的配線構造・形状を対象とした損傷予測 実用の配線形状を考慮して,折れ曲がり/テーパ付き形状の各々で両端がビア端子接続構造の配線を想定し,損傷予測を行った。損傷予測には研究代表者らが既に開発に成功している,しきい電流密度評価法を用いた。本法はエレクトロマイグレーション(EM)損傷の支配パラメータを用いて,配線内の金属原子濃度の分布形成過程を数値的にシミュレートすることに基づいている。本法により,配線形状の異なる配線の各々でEM損傷のしきい電流密度を予測した。 2.実験による予測結果の検証 研究項目1で想定した代表的構造・形状である,ビア接続構造で折れ曲がり/テーパ付き形状の配線を用いて通電実験を行い,予測結果から得た配線構造・形状によるEM損傷への依存性を確認するとともに,予測の妥当性を示した。また予測結果の検証から,本評価におけるEM損傷支配パラメータの妥当性も示した。 3.損傷予測パラメータと構造・形状との関連抽出 EM損傷支配パラメータ式に含まれる電流,温度,原子濃度の状態量が,配線の構造・形状に応じてどのように変化するのかを,項目1で実行したシミュレーション結果を基に検討した。このとき,配線全長を一定の状態で,折れ曲がり位置やテーパ方向を変化させることにより,ある程度規格化した配線形状を考慮して配線構造・形状と損傷予測パラメータとの関連性を抽出した。配線内のマクロな電流密度分布が原子濃度分布を変化させ,これによりEM損傷のしきい電流密度,すなわち配線の許容電流に影響を及ぼすことがわかった。これら一連の関連性から配線構造・形状に関する長寿命化の設計指針を獲得することができた。
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Research Products
(5 results)