2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ構造物と異方性材料のための、接合強度信頼性評価法の構築
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17360050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 徹 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40243894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 則幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (10166150)
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Keywords | 破壊力学 / 界面 / 異方性 / 応力拡大係数 / 微小構造物 |
Research Abstract |
1.三次元異方性異種材界面き裂の応力拡大係数を解析する手法を開発した.本手法は,汎用有限要素法との親和性を考慮し,J積分法に重ね合わせの方法を導入したM積分法を用い,経路積分の際に必要となる諸量を有限要素法の離散点の情報から移動最小自乗法を用いることによって内挿し,自動的に取得するようにした.本手法によって得られた応力拡大係数は,同じ要素分割での有限要素法解析結果に変位外挿法などの他の手法を適用した場合に比べて,格段に高い精度が得られた. 2.MEMSなどに良く用いられる,ガラスとシリコンの陽極接合について,その熱残留応力による破壊靱性値を測定した.この実験においては,通常シリコンと線膨張係数を合わせるために用いられるパイレックスガラスを用いずに,ナトリウムガラスを用いた.接合したナトリウムガラスとシリコンは,400℃付近で接合した後,降温する過程で破壊した.破壊温度から,1の三次元異方性異種材界面き裂の応力拡大係数解析手法を用いて,熱残留応力による破壊靱性値を測定した.その結果,シリコンに(111)面のものを用いた時の方が,(100)面のものを用いた時よりも破壊靱性値が高いことがわかった.(100)面ウエハを用いた時は,へき開面である(111)面に対するへき開応力が比較的高く,き裂は,シリコンの(111)面方向に進展するのに対して,(111)面ウエハの場合は,ガラスとシリコンの界面に沿ってせん断応力によってき裂が進展した. 3.デジタル相関法を用いて,顕微鏡下の加熱冷却槽中で加熱した電子基板やシリコンチップを埋め込んだ積層基板中の熱ひずみを測定するシステムを構築した.このシステムでは,ピエゾステージを用いて,レンズの収差等によるデジタル相関法の誤差を修正する方法を開発し,精度の向上を実現した.この手法を用いて,微細構造物中に発生するひずみ分布を直接計測することが可能である.
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Research Products
(3 results)