2006 Fiscal Year Annual Research Report
メートル標準に準拠し光路差を周波数から直接測定するピコメートル干渉測長法の開発
Project/Area Number |
17360062
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
明田川 正人 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (10231854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 和久 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80108216)
滑川 徹 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (30262554)
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Keywords | 超精密計測 / ナノメートル / ピコメートル / メートル標準 / トレーサビリティ / 光周波数 |
Research Abstract |
ナノテクノロジなどの微細加工の進展に伴い、広い範囲をナノメートル以下の精度で測長可能で、かつメートル定義(標準)にトレーサブルな実用的な測定法(ナノメートルゲージ)が求められている。例えば、商用のヘテロダイン干渉計などはこのナノメートルゲージの候補となりうる。ただし、多くのナノメートルゲージにはnm以上の非線形誤差が指摘されており、この誤差をメートル標準と比較し校正できる手法の確立が急務である。ただし、イタリアの計量研により開発された位相変調ホモダイン干渉計は、光路差が波長の整数倍のとき、長さをピコメートルオーダで決定できる。本研究では、ナノメートルゲージの校正を実用的な測長範囲内で、ピコメートル精度で実行する装置・手法の要素技術の開発を最終的な目的とする。 昨年度は、1個の周波数可変レーザを光源とする位相変調ホモダイン干渉計を試作し、光路差変化をピコメートル精度でメートル標準(周波数安定化HeNeレーザ)と比較し周波数変化より決定する基礎手法を開発した。光路差を変化させながら、特定の暗縞にロックするように周波数を制御し、このときの周波数シフトを、周波数安定化HeNeレーザとのビート信号により検出するシステムを試作した。光源の周波数や干渉縞の次数を調整して、暗縞を検出・ロックできる制御系を組み込んだシステムを構築した。空気の屈折率変動や熱変形に伴う誤差を除去するために、光学系を内包する真空恒温環境を導入した。 今年度は2個の周波数可変レーザを光源とする位相変調ホモダイン干渉計の開発を行った。それぞれの周波数を調整制御して、隣り合う暗縞にロックし、隣接干渉縞間の周波数差(FSR : Free Spectral Range)を2個の周波数可変レーザ間のビート信号から検出できるようにした。このことにより、FSRの事前測定なしで広い範囲にわたって測定すべき変位を周波数から直接測定可能である。実験では、FSR測定の有効性を確認した。
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