2005 Fiscal Year Annual Research Report
大面積電子ビーム照射による金型の高能率表面処理法の開発
Project/Area Number |
17360064
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宇野 義幸 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20029341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 晃 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (60263612)
岡本 康寛 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40304331)
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Keywords | 電子ビーム / 金型 / 表面仕上げ / 表面改質 / 表面処理 |
Research Abstract |
平成17年度においては,大面積電子ビーム照射による金型の高能率表面処理法を確立するために,以下に示す3項目について基礎的な検討を行った. 1.電子ビーム照射による金型加工面平滑化の可能性 大面積電子ビーム照射によって,各種金型材の最表面のみの瞬時の溶融が可能であることを確認した.また,金型鋼の材種によりその表面性状に多少の違いが確認でき,特にCr, Mn, S等の含有量や分布状態との相関がみられた. 2.照射条件と平滑化特性の関係 ビームのエネルギー密度,および照射回数による平滑化特性の違いを検討した.その結果,エネルギー密度が大きいほうが平滑化の効果が高いことが分かった.しかしながら,高すぎる場合には,表面の除去量が大きくなり,形状精度を悪化させる場合があることがわかった.照射回数については数十回までは回数の増加とともに照射面の粗さは減少する傾向にあるが,それ以降は回数を増加させてもその表面粗さはほとんど変化しないことが分かった. 3.平滑化メカニズムの解明 電子ビーム照射面の断面組織観察を行った結果,良好な平滑面が得られる金型鋼材種の場合には,表面に極わずかな再凝固層が形成されていることがわかった.また,エネルギー密度や照射回数による断面形状の変化を検討した結果,表面の凸部に優先的に電子線が集中することで選択的に除去され,表面の平滑化が進行するメカニズムが解明された. これらの結果をもとに来年度は,特に照射面の組織変化や表面特性について評価していく.また,ビームの照射時間を長くした場合の平滑化特性,表面特性についても比較する.
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Research Products
(4 results)