2006 Fiscal Year Annual Research Report
大面積電子ビーム照射による金型の高能率表面処理法の開発
Project/Area Number |
17360064
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宇野 義幸 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20029341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 晃 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (60263612)
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Keywords | 電子ビーム / 金型 / 表面仕上げ / 表面改質 / 表面処理 |
Research Abstract |
昨年度までに,大面積電子ビーム照射による金型の高能率表面処理法を確立するため,電子ビームのエネルギー密度や照射回数などの照射条件が平滑化特性に及ぼす影響について明らかにした.また表面平滑化のメカニズムを解明した.これらの結果をもとに今年度は,以下に示す3項目について重点的に検討を行った. 1.大面積電子ビーム照射面の組織変化 大面積電子ビーム照射面の組織をSEMやTEMなどを用いて観察したところ,電子ビーム照射最表面には数ミクロン以下の最凝固層が形成されること,そして結晶粒の小さい組織を形成することがわかった.また,その最凝固層の厚さはエネルギー密度が大きくなるほど厚くなる傾向にあった.さらにX線回折,EDXを用いて再表面の組織を分析したところ,成分の変化はないが構造は異なっていることが判明した. 2.大面積電子ビーム照射面の表面特性評価 各種の表面特性について評価したところ,若干の硬度低下が生じるものの,機水性が向上すること,耐食性が向上することを明らかにした.これらの表面特性の変化は前項の電子ビーム照射による最表面の組織変化とよく対応していた.すなわち,金型の表面特性として必要とされる耐食性や搬水性の改善を表面の平滑化と同時に行えるため,有用な表面処理法であることが示された.今後,耐摩耗性について検討する予定である. 3.電子ビーム照射時間が平滑化特性に及ぼす影響 これまで一回の照射時間はわずか数マイクロ秒であったが,照射時間がミリ秒オーダーの照射が行えるよう,ビーム発生電源部の改良を行った.今後照射時間による加工特性変化を把握していく.
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Research Products
(3 results)