2005 Fiscal Year Annual Research Report
集積冷却チャネルを有する積層インテグレーションチップの設計・実装
Project/Area Number |
17360068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 健介 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80345173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 政之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90242007)
濱口 哲也 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (90345083)
大井 健 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (00345084)
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Keywords | 冷却 / チャネル / 積層チップ / シール / 溶接 |
Research Abstract |
本研究は、積層形のマイクロチップに共通する抜熱とシールの問題に注目して、冷却配管の集積化技術と層間接合技術を開発し、冷却チャネルやセンサをインテグレーションした積層チップを設計・実装することを目的とする。 近年、微細な流路の中で物質を化学反応させるデバイスが注目されているが、さらなる高集積化のために積層すると放熱距離が長くなり、内部に熱がこもる。局所的には伝熱の効率が上がっているが、全体のとしては伝熱効率はマクロな構造と変わらず、温度に関しては小さくしたメリットが失われている。また、反応の並列化のために、積層形の微細流体システムが数多く提案されているが、層間のシールが難しいため、実際にはほとんど実現されていないのが現状である。 以上のような背景を踏まえ、本研究では積層形のマイクロチップの実装のために抜熱とシール技術を開発する。具体的には、まず金属製の積層チップにターゲットを絞って、化学反応用の流路の他に温度や圧力等のセンサを集積化したプロトタイプを試作する。実装ために不可欠な層間のシール技術として入熱範囲が100μm以下のマイクロスポット溶接と、層内の抜熱技術として、10W/cm^2の熱をとる媒体を用いた冷却技術を開発する。 平成17年度は、(1)材質・加工法・接合条件の検討、(2)小形機能要素の開発・実装、という手順を踏んで積層インテグレーションチップのプロトタイプを試作した。研究の分担は、研究代表者の土屋が全体を統括しながら、ターゲット反応の選定、流路設計、試作、評価実験を担当した。研究分担者は、大井がセンサ・ポンプ・ジョイントなどの小形機能要素の開発を、濱口がチャネル設計のための熱解析と応力解析を、中尾がチャネルの加工と層間接合法の検討をそれぞれ担当した。 積層チップに冷却チャネルを組み込むには、より高密度で、多層に積層する技術が必要になる。本研究では、まず、インテグレーションチップの材質選定し、当該材質に対する流路加工・レーザ溶接の条件出しなどの検討を行った。耐熱性、耐腐食性という使う側の評価基準と、加工性、接合性という作る側の基準との両面から総合的に検討した結果、材質はステンレス鋼(SUS316L)を想定し、加工法は流路形状、幅、深さなどに応じて、機械加工、ウェットエッチング、ビーム加工を使い分けるのが最適であることが分かった。また、溶接条件としては、各層の厚みによって最適なレーザ出力が決定され、たとえば300μm厚のとき50J/mm2程度の出力が最適である。 さらに、外部とのジョイントや、熱電対アレイなどの機能要素の小形化を図り、それらを集積化したときのレイアウト・流路設計を行い、試験的に3層のチップを試作した。
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Research Products
(3 results)