2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360075
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川野 聡恭 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00250837)
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Keywords | バイオ・ナノテクノロジー / 分子流体力学 / コンピュータシミュレーション / 数理モデル / 生体電子デバイス / マルチスケール解析 / マルチフィジックス解析 / 非線形ダイナミクス |
Research Abstract |
近年,DNA等の生体高分子における自己組織化,構造転換能,分子認識能を有効に利用し,そのナノ構造体およびナノ機械を創製する研究が注目されている.生体高分子の「特殊機能材料」としての上記特性は水溶液中でのみ発現するため,その水和構造や水分子の熱振動の効果を適確に記述し,さらに現象を時間および温度に強く依存するダイナミカル流動システムとしてとらえることが本研究の主眼である. 本年度は,無機基板近傍のDNA自己集合化ネットワークの詳細観察が可能になるように環境型プローブ顕微鏡ユニットを用いた予備実験を引き続き行っている.このネットワーク構造はチューリングの反応拡散波による性状の模擬が可能であり,散逸構造やカオスとの関連性を調べている.粗視化モデルを用いた鎖状高分子の流動シミュレーションを行い,ランジュバン方程式とマックスウェル方程式のカップリング技術を確立しており,実験との比較検討を行っている.分子動力学法と第一原理計算を利用してカーボンナノチューブ(CNT)と水分子の相互作用に関する解析を行ったが,その中でも特に,人工的なシリコンデバイス基板とリゾチーム分子との固着流動を検討するべく,1分子計測技術による拡散挙動の実験観測結果と分子動力学シミュレーション結果との比較を行った.またMEMS技術を用いた人工心臓,人工感覚器(内耳)の開発研究にも着手し,分子流体力学,生体医工学,神経科学との学際融合研究も進めている.
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Research Products
(6 results)