2005 Fiscal Year Annual Research Report
高温・高圧・高濃度水蒸気雰囲気における乱流燃焼メカニズムの研究
Project/Area Number |
17360090
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 秀昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30170343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大上 泰寛 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (00375122)
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Keywords | 乱流燃焼 / 高圧燃焼 / 予混合燃焼 / 燃焼ガス再循環 / 水蒸気 / 乱流燃焼速度 / 固有不安定性 / 粒子追跡速度計法 |
Research Abstract |
本研究は,高温・高圧下における高濃度水蒸気を含む低酸素予混合乱流燃焼メカニズムを解明し,燃焼ガス再循環を用いた新しい高負荷燃焼方式への応用展開を図ることを目的とする.具体的には,燃焼ガスを模擬した水蒸気および二酸化炭素により希釈された高温空気を酸化剤に用いた高圧乱流予混合火炎に対し,各種レーザー計測を併用して乱流火炎構造および局所燃焼速度の計測を行う. 本年度は,はじめに高温空気に水蒸気を連続的に供給する装置を設計・製作した.4本のロッドヒータが挿入された銅製円筒内にステンレススチールウールを詰めた熱交換器を製作し,マスフローコントローラにより水を連続的に供給して熱交換と蒸発を起こさせた.これにより広い水流量範囲で安定に水蒸気が発生することを確認した. 燃焼実験では,大気圧下において,水蒸気を含むメタン・空気乱流予混合火炎をノズルバーナにより安定化させた.その結果,同じ水蒸気添加率においても,供給水蒸気が過熱蒸気である場合と湿り蒸気である場合に火炎発光が大きく異なった.すなわち加熱蒸気では水蒸気を多く含む火炎の特長である赤い発光がほとんど見られなかったが,湿り蒸気では火炎全体が赤色発光で覆われた.水蒸気の状態による火炎への影響も今後の検討対象とすることとした. レーザー計測では,PLIF計測と粒子追跡速度計法(PTV)を同時に実施するための予備実験を行った.特にPTV用ダブルパルスレーザー導入窓部の表面反射防止に工夫を行い,画像のSN比を向上させることができた. 数値計算では,メタン・水蒸気・空気予混合火炎の層流燃焼速度を求めると共に,高圧下の乱流予混合燃焼で重要な固有不安定性特性スケールを推定する計算を行い,水蒸気添加によって燃焼速度が低下すること,および固有不安定性が抑制される方向にあることを明らかにした.
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