2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロスケールとマイクログラビティへの適用を目指したマランゴ二対流の研究
Project/Area Number |
17360101
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河村 洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80204783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 一郎 東京理科大学, 理工学部, 講師 (40318209)
岩本 薫 東京理科大学, 理工学部, 助手 (50408712)
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Keywords | 熱工学 / 表面張力 / マランゴニ対流 / マイクロ・ナノデバイス / 微小重力 |
Research Abstract |
1.高アスペクト比の微小液柱の形成 フローティングゾーン法の半分の系を模擬したハーフゾーン法では,一般に試験流体としてシリコーンオイルが用いられる.その場合,重力下で液柱を形成すると,観察の容易な直径5mmの場合・アスペクト比(Γ=高さ/半径)が1.0を超えると変形が無視できなくなる.今年度は,試験流体にn-デカンを用いた直径1.5mmの微小液柱で実験を行い,高アスペクト比(Γ=0.72〜2.75)を実現した. 2.高アスペクト比の微小液柱における振動モード横道の把握 モード数mとアスペクト比Γの積は従来mΓ=2.2程度であると云われてきた.本実験により,m≧2ではmΓ≦2.2であるのに対して,m=1ではmΓ>2.2であることが示された. 3.高アスペクト比の微小液柱における粒子集合構造(PAS)の把握 PASは,ドーナツ状の流動場に三次元的に巻き付く構造であることを把握しているが,高アスペクト比における三次元構造は未知であった.本実験により,一つに閉じ,かつ三次元的に捩れた紐状の構造を持つ粒子集合であるSL-RASをm=1において発見した.また,SL-PASにはSL IとSL IIという基本的な構造があり,SL IIはSL Iを構成している個々のパターンが,再度液柱内部に捩れ込む構造を有することが分かった. 4.数値シミュレーション 実験に用いるシリコーンオイルの高プラントル数の数値計算を実施するためには,薄い温度境界層を精度良く解像するために多量の計算格子が必要である.本年度は,計算時間のほとんどを占める圧力ポアソン方程式の高速解法を開発した. 5.マランゴニ対流による液体輸送 マイクロスケールにおける流体輸送技術の確立を目指して,マランゴニ効果を利用したマイクロポンプを試作した.10個の薄い液膜の上に空気の流路を形成し,液膜の自由表面近傍で空気を駆動できることを確認した.
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