2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロスケールとマイクログラビティへの適用を目指したマランゴ二対流の研究
Project/Area Number |
17360101
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河村 洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80204783)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 一郎 東京理科大学, 理工学部, 講師 (40318209)
岩本 薫 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院(H19年1月1日より), 助教授 (50408712)
|
Keywords | 熱工学 / 表面張力 / マランゴニ対流 / マイクロ・ナノデバイス / 微小重力 |
Research Abstract |
(1)より大きなアスペクト比の液柱マランゴニ対流の実現とPASの観察 アスペクト比(Γ=高さ/半径)のできる限り大きな液柱の形成に挑戦し,直径が1.5mmがの液柱によって,Γ=2.5を達成した.このとき,モード数m=1の粒子集合(PAS)を発現させることが出来た.その際,条件によって,同じm=1でも,異なる形状のPASが発現することを新たに見出した. (2)数値シミュレーションの実施 前年度までに開発してきた高プラントル数に適用しうる計算技術を用いて,高アスペクト比の液柱の解析を行った.実験で観察されたと同じモード数m=1の粒子集合(PAS)を発現させることに成功した.他方,その形状の詳細には差異が発見されたため,その原因を今後探求する。 (3)マランゴニ対流による液体輸送(マランゴニポンプ) 薄液膜に輸送に適した形状として,目的とする流れ方向に平行に温度勾配印可素子を挿入する形状を考案し,実験した.その結果,確かにこの形状によってもマランゴニ効果によって液体を駆動しうることを示した.並行して,数値シミュレーションを実施し,印可する温度勾配と駆動しうる流量の関係を調べた.定常流の範囲では,実験と計算はほぼ良く一致することを示した. (4)ピコリットル液滴のハンドリングにおけるマランゴニ効果 ピコリットル程度の微小液滴のハンドリングにおいて,マランゴニ対流の効果を実験的に調べる実験を実施した.その結果,円柱の端面に形成される半球状液滴の体積が,印可する温度差によって制御しうることを示した. (5)宇宙ステーションにおける実験の準備 現在のところ,平成20年(2008年)に本代表者が提案しているマランゴニ対流の宇宙実験を実施する予定である.これについて,地上においてできる限りの模擬実験を進め,基礎となるデータを蓄積し,初期実験の実験条件を決定した.
|