2006 Fiscal Year Annual Research Report
接触回転系のパターン形成現象に対する動吸振器の最適設計法の開発とその実験的検証
Project/Area Number |
17360108
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
近藤 孝広 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (80136522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 健一郎 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (80264068)
宗和 伸行 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (40304753)
盆子原 康博 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (10294886)
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Keywords | 機械力学・制御 / 時間遅れ系 / 自励振動 / パターン形成 / 動吸振器 / 最適設計 / 接触回転系 / 安定解析 |
Research Abstract |
抄紙機や印刷機の種々のロール系のように、ロールが他の系と大きな線圧の下で接触を保持しながら回転する接触回転系においては、パターン形成現象がしばしば発生する。研究代表者らは、パターン形成現象の最も支配的な発生原因は線形時間遅れ系の不安定振動であるとみなして、防止対策の確立を目指して研究を行ってきた。その結果、多くのパターン形成現象が上記のメカニズムで説明可能であることが明らかになった。昨年度は、基本的な2自由度系および3自由度系を対象として、新しい安定判別法を拡張するとともに、その安定判別法を適用した動吸振器の最適設計法を確立した。この結果を踏まえて、平成18度はおもに次の項目にっいて研究を実施した。 1.多自由度接触回転系への動吸振器の最適設計法の拡張 (1)モード別の固有振動数が比較的離れている場合には、各モードに対応して最適な動吸振器が設計され、それらが互いにほとんど影響を与えないことが確認された。この性質を利用してモード毎に動吸振器を個別に最適設計する方法を提案し、大幅な設計時間の短縮と各モードに対する効果的な安定化を実現した。 (2)上記(1)以外の系に対しては、トポロジカルな問題や設計順序に関して詳細な検討を行い、最適なパラメータを導き出した。これは、新しい安定判別法を適用したことにより実現可能となった。 2.実験装置の設計・製作 時間遅れ系に対する安定判別法および動吸振器の有効性を検証するために、抄紙機内部で利用されている粘弾性ロールをモデル化した直列型多段ロール系の実験装置を設計・製作した。これを用いて、おもに1自由度系を対象とした実験を行った結果、新しい安定判別法の結果と一致する範囲で不安定振動が発生することを確認した。この実験装置は最大4自由度まで変更可能であり、本研究で得られた結果を基礎にして、今後は動吸振器の制振効果を検証する実験を実施する。
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Research Products
(4 results)