2005 Fiscal Year Annual Research Report
単一直径リポソームによるタンパク質機能解析のためのマイクロ流体デバイス
Project/Area Number |
17360111
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 昌治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90343110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏明 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20372427)
野地 博行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00343111)
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Keywords | リポソーム / MEMS / MicroTAS / マイクロフルイディクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、直径の揃ったリポソームを効率的に作成するマイクロ流体デバイスを実現することである。リポソームは脂質2重膜で水溶液を包含した球体である。細胞膜と同様の構造を持ち、膜の密閉性が高いため、ドラッグデリバリ用のカプセルや、人工細胞モデルとして幅広く利用されている。本研究では、単一直径のリポソーム膜に膜タンパク質や薬剤を導入するデバイスの実現を目指す。 本年度は、リポソーム調整法の検討を行なった。リポソームの作成には、従来、水和法と呼ばれる方法が用いられてきた。これは、まず、脂質をクロロホルムなどの揮発性の有機溶媒に混入させ、ガラス面にたらした後、有機溶媒を完全に乾燥させ脂質だけの膜にする。その後、水を徐々に加えることによって、脂質膜をガラス面から引き剥がし、リポソーム膜を作成するという手法である。また、エレクトロフォーメーションと呼ばれる、リン脂質膜で覆われた基板に電圧を印加することによって、膜を剥離させ、一層の脂質2重膜で構成されたリポソームを得る方法がある。他の一般的な方法に比べ、一枚膜構造を得られやすい、比較的大きさが揃っている、などの特長がある。本年度は、まずこれらは2つ方法について検討した。その結果、どちらもジャイアントリポソームが作成できるが、水和法の場合、リポソームの中にリポソームが存在する頻度が多く、また膜の厚さにもムラがあるように観察された。 そこで、エレクトロフォーメーションをマイクロチャンネルを利用して実施するシステムの研究を行なった。シリコーン樹脂であるPDMSを利用して微細な溝を形成し、透明電極(ITO)で被覆されたガラス基板を用いて流路を作成した。その結果、流路内に脂質膜を塗布後、電圧をかけることによって、リポソームが作成可能であることが分かった。
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Research Products
(4 results)