2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNAによる粒子位置決めをもちいたナノメカニズム創製技術
Project/Area Number |
17360112
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
初澤 毅 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (70272721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 保子 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (10282849)
西迫 貴志 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (10431983)
遠藤 達郎 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (40432017)
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Keywords | DNA / ナノマシン / ナノバイオ / 分子機械 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き以下の2つのDNAナノ構造創製の研究を推進した. 1)IHFタンパク質によるDNA折り曲げ構造の実現 昨年度試みたIHFタンパク質の製法で,遺伝子組み替え大腸菌による培養過程を見直し,IHFタンパク質の精製と収率の増加を図った.これよりDNA折り曲げ活性を有するIHFタンパク質の安定した合成に成功した.また折り曲げ対象となるDNAについて,DNA螺旋構造のねじれを考慮し,折り曲げ方向が同一側まはた180度ずれた位置になるように工夫したDNA配列を考え,これを合成した.IHFタンパク質を反応させたところ,25nm離れた場所での同一側への折り曲げ構造を原子間力顕微鏡(AFM)により確認することが出来た.また,IHFの結合部分についてはDNA上の膨らみとして観察され,所定の反応によりDNAが折り曲げられていることを確認することが出来た.さらに,35nmピッチでの交互方向折り曲げ実験についても,AFM画像から所定の構造を確認することが出来た. 2)プラスミドによるナノ構造 塩基配列設計を不要にするDNAナノ構造単位として,環状プラスミドを用いる構造を考え,直径の極力小さくなるプラスミドを得るためのプロトコルを得た.予め特定塩基に化学標識を施し,これと選択的に結合可能な化合物をコーティングした金属ナノ粒子との連結構造を創製した.これは円環状DNAがナノ粒子を仲立ちとして2つ結合した構造で,プラスミドめがねと名づけた.また,鎖状のものについても創製条件の検討等を実験的に行った. 3)遠心力および誘電泳動力によるDNA伸張 マイカ上に滴下したDNA溶液をスピンコータで回転することにより,DNAの直鎖状の伸張を確認した.また所定位置へのDNA固定伸張を実現するため,MEMS技術によるDNA固定電極を作製した. 成果については,学会口頭発表,国際会議,論文により公表した.
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Research Products
(1 results)