2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNAによる粒子位置決めをもちいたナノメカニズム創製技術
Project/Area Number |
17360112
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
初澤 毅 Tokyo Institute of Technology, 精密工学研究所, 教授 (70272721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 保子 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (10282849)
西迫 貴志 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (10431983)
遠藤 達郎 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (40432017)
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Keywords | DNA / ナノマシン / ナノバイオ / 分子機械 |
Research Abstract |
研究の最終年度であり,以下の項目についてDNAナノ構造創製の研究を推進するとともに,機械的物性についての理論モデルを構築した. 1.環状DNAによるナノ構造の構築 昨年度のプラスミド眼鏡に加え,環状DNAが2本鎖DNAに連なるDNAシリアルリング,鎖状に連なるDNAチェーン等の試作に取り組み,収率が低いながらも構築の可能性を実証した.また,DNAをシリコン基板上に位置決めする技術を開発し,数百nmピッチで粒子を固定する方法を考案し,特許出願を行った. 2.RecAタンパク質とDNAによる分岐構造 RecAタンパク質とDNAを組み合わせることにより,DNA2本鎖の任意の場所において分岐し,その先端に分子を配置する分子素子を形成する方法を提案し,実験的確認を行った.濃度や反応条件を調整することにより,DNA上にRecAの周期的な付着を確認したが,分岐先への粒子配置の最終確認には至らなかった. 3.DNAの機械的モデルの構築 DNAの機械的なモデルを構築し,実験データとの整合性の検討を行った.DNa2本鎖の側鎖部分をコイルスプリング要素で近似するとともに,塩基結合を小さなばね要素に置き換えることによりエネルギーを定義して,理論式を絵遅疑した.このモデルは,DNAを伸張したときの伸びと力の関係をうまく説明でき,このモデルの妥当性が実証できた.また,シリコン基板上でDNA伸張を行うための電極構造に先端が鋭利な形状を導入することにより,DNAの固定と伸張を実験的に確認した. 以上の研究により,DNAによるナノメカニズム創製のための糸口を構築することが出来た.今後の研究進展により,ナノアクチュエータやナノセンサーなどへの発展が期待できる.
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Research Products
(13 results)