2006 Fiscal Year Annual Research Report
低誘電率・高絶縁耐力プラズマ堆積a-C:F膜による機器絶縁の軽量化と耐電圧向上
Project/Area Number |
17360121
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
酒井 洋輔 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (20002199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 広剛 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (90241356)
須田 善行 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (70301942)
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Keywords | 絶縁膜 / プラズマCVD / パーフルオロカーボン / 低誘電率 / 絶縁耐力 / a-C : F膜 |
Research Abstract |
SF_6ガスは絶縁材料として極めて高い性能を有しているが、一方地球温暖化係数が大きく、その使用が制限されている。これに代わる絶縁方式として、導体電源部に非晶質フッ化炭素(a-C : F)膜をプラズマ化学気相(CVD)成長法を用いてコートし、導体部からの二次電子放出を抑制、その結果大気(窒素と酸素)によるガス絶縁によってもSF_6ガスと同(またはそれ以上)レベルを得ることを目標に新複合絶縁方式を提案し、評価検討を行なってきた。一部の結果は、低pd(気圧と電極間隙の積)領域において本Paschen特性はSF_6ガスの特性と同程度になることを示した。 本年度の成果として、申請者らが既に明らかにしている高速堆積が可能なパーフルオロカーボン(C_8F_<16>)を原料として、RFプラズマCVDによりa-C : F膜堆積を、絶縁破壊後の膜修復をモデルにし、a-C:F膜堆積基板に更に膜を堆積する実験を行い、その結果をSEM、XPSならびにFTIRを用い膜の表面と断面の観察、CとFの結合状態を分析評価を行った。その結果、膜の二重層境界を確認するとともに、CとFの結合ならびにその構造は基本的には非晶質のテフロン特性を持つことが示された。 最終年度に当たる次年度には、本成果を下に膜プロセスの再現性と最適プラズマ条件を見出すとともに、誘電率値に及ぼす物理化学的特性を明らかにし、本膜の絶縁特性、ならびにSF_6代替絶縁方式の研究計画に従って研究を進める予定である。
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Research Products
(6 results)