2005 Fiscal Year Annual Research Report
安全で快適な次世代通勤電車のための接線力推定値帰還による空転滑走再粘着制御の開発
Project/Area Number |
17360123
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大石 潔 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40185187)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 安弘 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70293248)
宮崎 敏昌 長岡工業高等専門学校, 電気電子システム工学科, 助教授 (90321413)
|
Keywords | 再粘着制御 / 外乱オブザーバ / 電気車 / 空転 / 滑走 / 速度センサレスベクトル制御 / インバータ / 接線力 |
Research Abstract |
21世紀初頭に我が国日本が目指すべき国の一つの姿として、「安心・安全で質の高い生活のできる国」を掲げている。安全安心で快適な社会を構築する上で、都市空間の通勤・通学電車を安全且つ快適に運行することは極めて重要である。また、近年、地球温暖化、エネルギー問題が人類存亡の問題となっている。電気鉄道は自動車や飛行機に比べて、エネルギー効率が高く且つクリーンである。通勤電車の輸送力を増強させて、安定且つ高効率に運行することは、省エネルギーに大きく貢献し、エネルギー問題、地球温暖化の対策に極めて有効である。本研究では、低分解能な位置センサの制約と、電車車両や連結部分の振動により新たな外界センサが装着困難である制約を克服して、接線力推定値の確実なフィードバックに基づく高性能空転滑走再粘着制御系を開発する。その結果、安全で快適な次世代通勤電車の運行を実現し、安心・安全で質の高い都市交通システムの構築と、エネルギー問題と地球温暖化対策の両者に大きく貢献することを目的としている。 そこで、今年度は、購入した計算機を用いてブレーキ動作時の電気ブレーキと空気ブレーキとの協調制御に関する解析と提案する方法の有効性の確認を行った。そして、本研究成果は、電気学会論文誌D平成17年10月号「電空協調制御を考慮した滑走再粘着制御への外乱オブザーバによる再粘着制御系の応用」として発表した。これは、制動時の電気ブレーキと空気ブレーキの協調制御にも言及した先進的な研究成果である。また、電気学会(IEEJ)の国際会議International Power Electronics Conference (IPEC2005)でも発表した。さらに、上記の研究成果と、実際の鉄道車両に適用しその有効性ならびに再粘着制御性能の評価を行った成果を、ドイツ・ドレスデンで開催されたEPE(欧州パワーエレクトロニクス学会)の国際会議にて"Advanced Anti-slip and Anti-skid Re-adhesion Control Considering Air Brake for Electric Train"として発表し注目された。その他に、平成17年(2005年)8月に開催された平成17年電気学会産業応用部門大会、平成18年(2006年)3月に開催された平成18年電気学会全国大会の国内学会で発表している。
|
Research Products
(3 results)