2005 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導コイルの性能限界をブレークする捻り角度制御型新導体の電磁特性解明と最適設計
Project/Area Number |
17360128
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
住吉 文夫 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20136526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 明史 鹿児島大学, 工学部, 助手 (40315396)
三戸 利行 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (10166069)
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Keywords | 高温超伝導 / 低温超伝導 / 線材 / 導体 / コイル / 損失 / 電磁特性 / 電力機器 |
Research Abstract |
本研究は、捻り角度制御型の超伝導導体の基礎電磁特性を解明することにより、特性の優れた導体で巻線された超伝導コイルの性能が、従来の限界性能をブレークするほどに向上して、超伝導応用機器の実現に資することを目指している。特に、製造実績が多くコストも安い低温超伝導のNbTiモノリス導体を取り上げ、通常より極端に断面アスペクト比を高めた新導体特有の電磁特性を明らかにし、この新導体を使って高い性能のコイルを作るための設計指針を明らかにする。また、高温超伝導のBi系テープ線材を用いた新型の導体の電磁特性についても明らかにして、実用化のための最適設計法を検討する。以下に、3ヵ年計画の初年度にあたる17年度の研究内容と成果について、低温超伝導と高温超伝導の新導体に分けて記述する。 (1)低温超伝導新導体: 最大で7.4という高い断面アスペクト比をもつNbTiモノリス導体を試作して、その臨界電流の印加磁界方向依存性を測定した。導体幅広面に平行な(E0横磁界)横磁界中の臨界電流値は、丸線に比べて2割も増加するという実用的価値の高い成果を得た。また、磁化曲線の測定を行い、強い圧縮加工を受けたNbTiフィラメント内への磁束侵入と履歴損失について調べ、超伝導電子の染み出しなど実用上の障害となる現象は起きていないことを明らかにした。さらに、E0横磁界の結合損失時定数が数ミリ秒という低い値であることを明らかにした。 (2)高温超伝導新導体: 既に試作してコイル特性試験が一通り終わった、1回目試作のCIC型のBi-2223新導体を解体し、内部にある並列転位ケーブルの臨界電流劣化の原因を探るため、4端子法によりケーブル長手方向の局所電圧発生分布を測定した。新導体の臨界電流特性は、捻り角度制御の効果が観測されたものの、当初の予測値より低かった原因が、導体曲げ加工時の素線間のすべり不足にあることを突きとめた。
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Research Products
(3 results)