2006 Fiscal Year Annual Research Report
高圧大容量電動機可変速駆動用PAMとPWMを併用したマルチレベルインバータの開発
Project/Area Number |
17360132
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
松瀬 貢規 明治大学, 理工学部, 教授 (40061999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 一郎 明治大学, 理工学部, 教授 (20130833)
久保田 寿夫 明治大学, 理工学部, 教授 (10170036)
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Keywords | 5レベルインバータ装置 / 直列接続パワーデバイス / デュアルコンバータ / PWM制御 / PAM制御 / 高圧大容量電動機駆動 / MHC / 空間電圧ベクトル変調法 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高圧大容量電動機の速度制御を可能にする新しいタイプのPAM制御とPWM制御を併用した電圧形マルチレベルインバータ装置とその制御方式を開発し提案することである。 2006年度は,大容量IGBTを用いて順変換部およびインバータ部から構成される相電圧5レベルのデュアルコンバータ主回路から構成される試作装置を製作した。2007年度では制御回路は,MATLAB(xPC Target)によって直接PCから主回路の各IGBTにスイッチング信号を送り込む方式を採用して試作装置の完成を目指す。 本方式は直流リンク電圧可変形PWM制御であり,低速領域で直流電圧を一定に保ちインバータ部でPWM制御して可変速駆動のため出力の電圧と周波数を制御すること,中高速領域では直流リンク電圧を調整すると同時にインバータ部で電圧と周波数の制御が可能であることをシミュレーション実験で確認実証し,その研究成果はIEEEの国際学会などに発表した。今後は開発した制御システムを試作装置に適用・搭載して実験実証してゆく予定である。 現状の3レベルインバータなどマルチレベルインバータは,高圧大容量のパワーデバイス(たとえば定格が3.3kV/900Aやそれ以上)を使用してマルチレベルの出力電圧波形を持っている。この場合,各デバイスの損失は過大になり,主回路に使用しているパワーデバイスの総計も48個と非常に多いのでさらに装置損失は増大し過熱する。したがって,実際には大掛かりな冷却装置を必要として大きな装置スペースがいる。 パワーデバイスを直列に接続して大容量化し,各パワーデバイスのスイッチング性能を低下させずに損失を低減し,各デバイスに印加される電圧をバランスさせる方式として,ゲートバランスコアを用いる方式開発提案して実験によって実証した。この方式の開発により装置の小型軽量化も期待できるので用途の多様化ができ,さらに実用的である。本方式を,車両用補助電源装置に適用して小型軽量化,高性能化を図り,研究成果を電気学会論文D分冊で発表した。 今後,本研究の所期の目的を達成すべく継続して研究する予定である。
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