2006 Fiscal Year Annual Research Report
欠陥制御・界面制御に基づく窒化ガリウム系デバイス構造の高信頼化
Project/Area Number |
17360133
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋詰 保 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (80149898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 誠也 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (30312383)
佐藤 威友 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (50343009)
金子 昌充 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 非常勤研究員 (70374709)
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Keywords | GaN / AlGaN / DLTS / 深い準位 / 炭素拡散 / プラズマ処理 / ショットキー接合 / HEMT |
Research Abstract |
AlGaN混晶の表面結晶欠陥および不純物の振舞いを詳細に評価し、金属界面特性・絶縁体界面特性との相関、および、デバイスの電流崩壊、漏れ電流および劣化・破壊現象との関連性を系統的に調べてこれらの機構を明らかにし、表面欠陥制御・界面制御に基づきデバイスの信頼性・安定性の向上に直結する知見を得ることを目的として、研究を行った。今年度得られた主な成果を以下にまとめる。 1)Al組成26%のAlGaN混晶にショットキー接合を形成し、過渡容量応答解析(DLTS : Deep Level Transient Spectroscopy)を行ない、深い準位を評価した。高い温度領域と秒オーダーの時間領域で解析することにより、伝導帯下端より0.9eVの位置に電子捕獲準位が1x10^<16>cm^<-3>程度の高密度で存在することを明らかにした。 2)CN_x/SiN_x複合膜構造を利用した拡散プロセスを開発し、GaNへの炭素ドーピングを行なった。N2雰囲気中で1000℃以上の熱処理を行なうことにより、炭素がGaN中へ拡散することを確認し、拡散した炭素は主として深い準位として振る舞うことを明らかにした。 3)O_2プラズマおよびN_2Oプラズマを利用し、故意にAlGaN表面に薄い酸化膜を形成して、ショットキー接合の電流-電圧特性の変化を調べた。両プラズマプロセスともに表面に2nm程度の酸化膜を形成したが、N_2Oプラズマを照射した試料で漏れ電流が劇的に減少した。AlGaN表面のN-O結合の存在が電気的特性に大きく影響を及ぼすことを明らかにした。 4)AlGaN/GaNヘテロ構造トランジスターを製作し、高温におけるoff-stateバイアスストレスによりDC特性がどのように変化するかを調べた。SiN_x膜のみの表面保護を行なった場合、ストレス後にドレイン抵抗の増加による特性劣化が見られたが、Al超薄膜を利用した表面制御プロセスを施したデバイスでは劣化が全く見られなかった。表面制御プロセスによりAlGaN表面の電子準位が抑制され、ストレス中の表面状態が安定に保持されたことを示唆する結果を得た。
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