2005 Fiscal Year Annual Research Report
光アンプ応用を目指した量子ドットナノ構造による偏波無依存・超高速光応答の実現
Project/Area Number |
17360142
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
喜多 隆 神戸大学, 工学部, 助教授 (10221186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 修 神戸大学, 工学部, 教授 (90335422)
江川 満 (株)富士通研究所, ナノテクノロジー研究センター, 主任研究員 (70213527)
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Keywords | 量子ドット / コラムナ量子ドット / スタック成長 / 偏波無依存 / 超高速光応答 / 光通信波長 / エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本研究はスタック成長によってナノ形状を制御した独自の量子ドットを利用することにより、光通信波長帯でこれまで困難であった偏光無依存特性と超高速応答特性を両立させる可能性を初めて明らかにすることを目的にしている。平成17年度は量子ドットによる偏波無依存特性と超高速光応答特性を同時に実現するために、原子組成の制御、形状制御、歪み制御技術に立脚した新しいInAs量子ドットナノ構造の設計と結晶成長を実施した。エピタキシャル成長における原子組成、形状、歪みはそれぞれ、波長、偏波特性、振動子強度を制御する因子であることが明らかになった。これによって、独自に設計したナノ構造を持つ量子ドットの基礎物性が制御可能になり、光学遷移選択特性とドット内の波動関数分布に関わる振動子強度の制御を実現した。具体的には以下の通りである: 原子組成制御による発光波長制御 光通信波長帯で十分な発光強度を有する量子ドットをGaAsベース上で作製した。独自の技術である原子層窒化した量子ドットによって室温1.3μm発光は実現した。またGaAsSb歪制御キャップ層を組み合わせることで1.55μmまでの長波長化が可能であることを明らかにした。 歪みによる振動子強度制御 量子ドットをスタック成長する際の中間層の原子組成を制御すれば、コラムナ量子ドットに加わる歪みを制御できる。これによってピエゾ効果を制御し、価電子バンド波動関数の空間分布を制御することが出来た。その結果、コラムナドットの形状アスペクト比による振動し強度の制御、すなわち、光応答速度の制御に成功した。 形状による偏波制御 量子ドットのスタック成長によってアスペクト比を精密に制御した。偏波特性がアスペクト比とそれに伴うドット中の不均一歪み効果によって決まることが明らかになった。また、ドット内不均一歪みによる価電子バンドのミキシング効果が顕著に現れていることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)