2006 Fiscal Year Annual Research Report
無機有機ナノ界面のメゾ特性から見たポリマーナノコンポジットの電気絶縁性能の解明
Project/Area Number |
17360145
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 祀捷 早稲田大学, 大学院情報生産システム研究科, 教授 (50253539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 義路 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70103611)
小迫 雅裕 鹿児島高等工業専門学校, 講師 (80350429)
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Keywords | 誘導体 / 有機物 / 絶縁体 / ナノコンポジット / ポリマー / ポリマーナノコンポジット / エポキシ / ポリエチレン |
Research Abstract |
ポリマーナノコンポジットは報告者らの研究成果により革新的な誘電・絶縁材料と認められるようになった。優れた特性の発現のメカニズムをメゾスコピックの立場から解明するのが本研究の目的である。材料として、エポキシ/シリカ系、エポキシ/クレイ系、エポキシ/ベーマイトアルミナ系、エポキシ/チタニア系、ポリエチレン/マグネシア系などを選択し、高電界における挙動を解明するために、主に耐電界特性に着目して、研究を行った結果、(1)耐部分放電性へのナノフィラーの添加の寄与、(2)トリーイング破壊過程におけるクロスオーバー現象、(3)マルチコア界面モデルの提案とそれによる誘電・絶縁諸現象の解釈、(4)分子動力学による界面現象の分析、ついて成果を得た。得られた主な知見を以下にのべる。耐部分放電性の向上はナノフィラーによるポリマーマトリックスのナノ分割とナノフィラーとポリマーマトリックスのメゾスコピック界面の結合強度に依存ずる。トリーイング現象では特異なクロスオーバー現象を見つけているが、低電界では耐部分放電性と同様な効果が働き、高電界では電気二重層をもったメゾスコピックなナノフィラーと高速電子の相互作用の影響を受けて電子を加速しやすい構造になっていると説明した。ナノフィラーとポリマーマトリックスの界面はメゾスコピックな3層をもつ構造となっており、これが誘電・絶縁の諸現象への効果として現れる。第1層は、有機・無機結合層(イオン結合、共有結合、ファンデアワールズ力による弱い結合など)、第2層は束縛層(ポリマー結晶、球晶、規則配列、化学量論的架橋)、第3層は遊離層(無定形、非化学量論的架僑)である。それにオ^バーラップして電気二重層が形成されている。これを理論的にバックアップするため粗視化分子動力学法による分析を行い、構造上の重要な知見を得た。
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Research Products
(22 results)