2007 Fiscal Year Annual Research Report
空間電荷分布測定技術を応用した高時間分解能電荷顕微鏡の開発
Project/Area Number |
17360148
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
福間 眞澄 Matsue National College of Technology, 電気工学科, 教授 (70228930)
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Keywords | 空間電荷 / 2次元 / 高速測定 / 高電圧 / 絶縁材料 / ポリエチレン / プリント基板 / エポキシ樹脂 |
Research Abstract |
空間電荷分布測定は主に固体絶縁材料中の電荷の分布を測定する技術として用いられ,電力ケーブル用やプリント基板の固体絶縁材料の信頼性評価と材料開発等に利用されている。本研究で目指している空間電荷分布測定装置の目標は"絶縁材料内部の電荷の動きを顕微鏡のように見て記録する装置を開発する"ことであった。平成19年度に目指した研究目標は,前年度までに開発した短時間間隔(ミリ秒以下)で測定可能な2次元センサ分割型の測定装置を利用した空間電荷分布計測と不平等電界下での空間電荷分布測定技術の開発であった。電力ケーブル用絶縁材料であるポリエチレンなどの絶縁材料中で起こる特異現象としてパケット電荷が報告されている。パケット電荷は3次元的に分布する可能性が高く,かつ過渡的に変化することが予測されていた。本装置を利用しそのパケット電荷の電界水平方向への移動現象を観測した。2次元高速測定が可能となったことから高温高湿下で吸水させたプリント基板(紙フェノール)でのイオンマイグレーション現象の観測を2次元で行った。また,電気自動車用半導体用モールド樹脂の高温課電時の帯電現象を観測した。特に,2次元測定であるために電極エッジでの電荷注入現象を観測できた。電極エッジでの電荷注入現象の観測はこれまで測定装置では測定できない現象で,新たな現象の観測が可能となった。不平等電界下での空間電荷測定については,この装置を応用して以下の空間電荷分布計測を行った。絶縁材料にエポキシ樹脂,電極系に線-平板電極系を用いることで不平等電界下での空間電荷分布測定を実施した。申請者の開発した数値解析の技術を用いることで測定信号から線電極先端部会の電界と電荷蓄積も測定が可能になった。
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Research Products
(6 results)