2006 Fiscal Year Annual Research Report
ザゼンソウ発熱因子に基づくマイクロ・エネルギー変換デバイス
Project/Area Number |
17360151
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
長田 洋 岩手大学, 工学部, 助教授 (10261463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 菊一 岩手大学, 農学部, 教授 (50232434)
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Keywords | 生物 / 電子デバイス / マイクロデバイス / 制御工学 |
Research Abstract |
本年度は,ザゼンソウの発熱に密接に関与している新規脱共役タンパク質である,SfUCPbの合成と電子デバイスヘの応用を目的とし,SfUCPbの分子機能解析を行った.また,エネルギー産出・蓄積システム全体のダイナミクスの解析を目指し,ザゼンソウの発熱制御モデルを考察した. ・SfUCPbの分子機能解析 発熱中の本植物よりミトコンドリアを調製し,SfUCPbの分子機能に関する解析を行った.その結果,脱共役活性の指標とされている遊離脂肪酸による膜電位レベルの低下,および,プリンヌクレオチドによる膜電位レベルの回復が観察されることが判明し,本因子はザゼンソウのミトコンドリアにおいて脱共役タンパク質として機能していることが明らかとなった. さらに,ザゼンソウのミトコンドリアから反転膜小胞を調製してその膜トポロジーに関する解析を行った結果,そのC末端をサイトゾル側に向けた構造をとっていることが示唆された. ・ザゼンソウの発熱制御モデル 生体の発熱制御応答特性および気象データなどを基にして,ザゼンソウの発熱制御細胞モデルを考察した.現時点で得られているモデルは,同定が進んでいた制御アルゴリズムを内包した比較的単純なフィードバック機構であるが,目的温度前後でその構造を切り替えるというユニークな制御構造を有している.このような構造は,リソースの少ない植物のような制御システムに良く合うように考えられる.本モデルは生体の特性(振動的に元の温度に戻ろうとする)を良好に再現できており,今後,フィードバック信号を形成する機構や,目標温度を設定する機構などに対する理解を進めるためのベースとして期待できる. また,本細胞モデルにより小花のモデルを形成したところ,複数の細胞が集まった小花モデルも基本的に細胞単体と同様の特性を維持することが確認できた. 現在,これらの成果を公表すべく関係学会誌に投稿中である.
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Research Products
(1 results)