2008 Fiscal Year Annual Research Report
ザゼンソウ発熱因子に基づくマイクロ・エネルギー変換デバイス
Project/Area Number |
17360151
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
長田 洋 Iwate University, 工学部, 准教授 (10261463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 菊一 岩手大学, 農学部, 教授 (50232434)
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Keywords | 生物 / 制御工学 / 電子デバイス / マイクロデバイス |
Research Abstract |
■発熱制御ネットワークの構造解析 前年度に続いて, ザゼンソウの熱産生にとって重要な因子であるシアン耐性呼吸酵素(AOX)および脱共役タンパク質(UCP)を含む発熱制御ネットワークの構造解析を行った. また, ニューラルネットワークを用いて, ザゼンソウおよびハスとの発熱制御ダイナミクスを推定しその比較を行った.両者は基本的に温度変化をフィードバックしている構造であったが, ザゼンソウの方がダイナミクスの自由度が高い分, 高次元の温度変化のフィードバックに関わる結合係数が大きく出る傾向を示した.このことは, 同じ恒温植物でも, ザゼンソウとハスではその発熱制御系の仕組みが異なっている可能性を示している. ■ザゼンソウの発熱制御機構を模倣したエネルギー制御デバイスの検討 アナログ・デジタル混在型マイクロコントローラを用いて, ザゼンソウの発熱制御機構を模倣したアルゴリズムで動作するエネルギー(温度および電力)制御デバイスを試作し, その制御性能を評価した.その結果, 同制御機構は微分型のフィードバックを基本としているため, 制御対象の非線形要素にも柔軟に対応できること(ロバスト安定性)が確認できた.このような特性は,現在最も一般的な制御方式であるPID制御とは異なる特性であり, 生物の有するしなやかさが現れていると言える.さらに, PID制御とのハイブリッド化を試みたところ, 両者の特徴(ザゼンソウ制御機構のロバスト安定性とPID制御の追従性)を有する制御アルゴリズムを構成することができた. これらの成果の一部は, 国内外の学会に発表, または特許として出願した.
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Research Products
(4 results)