2008 Fiscal Year Annual Research Report
量子力学的手法による次世代分子トランジスタの最適化設計に関する研究
Project/Area Number |
17360163
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小川 真人 Kobe University, 工学研究科, 教授 (40177142)
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Keywords | ナノバイオ / 先端機能デバイス / 分子デバイス / 第一原理計算 / 非平衡グリーン関数 |
Research Abstract |
平成20年度に以下の研究を行い、それぞれ目標に掲げた以上の成果を得ている。 1.強束縛近似分子動力学法による電気機械システムの解析 量子化学計算における原子的強束縛近似に基づく分子動力学解析プログラムを開発し,CNTFETのチャネル部分に圧力が印加された状態でのFETの電流電圧特性の変化に関して検討を行った.カイラリティーの相違,格子欠陥などといったCNTの構造要素と輸送特性の変化について調べた.その結果カイラリティーの相違,講師欠陥により,圧力の輸送特性への影響が変化することが確かめられ,提案構造の圧力センサーへの応用についても検討を行った. 2.分子デバイス内の電子状態解析,輸送特性解析と格子振動解析 上記の手法に基づき簡単なフェニルジチオフェン(PDT)系の分子構造における電子状態と電極の結合を考慮し,従来Si(シリコン)MOS FET(金属酸化膜半導体電界効果型トランジスタ)において素子長が50nm以下の場合に得られているトランジスタ特性と同様な特性をnmオーダの分子デバイスでも実現しうることを明らかにしている.また,構成原子間の熱振動により,振動のモードが赤外領域に存在することが分かり,今後は,有機トランジスタとしてだけではなく,赤外領域の光検出器への応用や,キャリアの散乱効果を含んだ形でのシミュレーションとデバイス微細化に伴う状態の離散化やトンネル現象等の量子現象の軽減法の探索とその効果を積極的に利用できるデバイス構造の探索を行う。
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Research Products
(5 results)