2007 Fiscal Year Annual Research Report
電気光学材料を用いたリング共振器光スイッチのSiLSI上へのモノリシック集積
Project/Area Number |
17360166
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 新 Hiroshima University, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
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Keywords | 電気光学材料 / 光スイッチ / マッハツェンダ干渉計 / (Ba,Sr)TiO_3 / 低温成長 / 歪みSi電気光学効果 / リング共振器 / キャリア濃度変調屈折率変化 |
Research Abstract |
電気光学材料を用いた光スイッチをSiL S I上に形成する技術を開発することが目的である。前年度までに、電気光学材料である(Ba,Sr)TiO_3を用いたマッハツェンダ型光スイッチを、SiLSIの最上層に金属配線層にダメージを与えない450℃という低温で形成する技術を開発した。しかし、光変調率が10%と低い、動作電圧が200Vと高い、応答時定数が秒オーダと遅いなどの欠点があった。平成19年度は、これらの点を改善するために、(Ba,Sr)TiO_3膜をスパッタ法によって作製するためのターゲット基板の組成を変え、化学的組成を理想値に近づけた。また、(Ba,Sr)TiO_3の結晶性を向上させるために、結晶性のPtを(Ba,Sr)TiO_3膜上にスパッタした後熱処理することにより、下方に向けたエピタキシャル成長が起き、結晶化がこれまでより低温の400℃から始まることを見出した。これらの改良を行った光導波路の光元帥率を測定したところ、従来の膜からの改善は見られなかった。この理由は、光の進行方向である、基板に水平な方向での結晶性の改善が得られていないためと考える。 (Ba,Sr)TiO_3以外に、Si結晶がひずみを加えると電気光学効果が発現するという報告が最近ある(R. S. Jacobsen, et. al. Nature Vol.441,p.199,2006)ので、この原理に基づいたリング共振器光スイッチを作製・評価した。その結果、動作電圧200Vで光変調率30%が得られた。測定結果を解析した結果、結晶ひずみが不十分なため、電気光学効果が現れず、Si表面における電界誘起キャリア濃度変化によって光出力が変調されていることが分かった。
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