2005 Fiscal Year Annual Research Report
古い記録フィルム映像の修復のための信号処理アルゴリズムとシステムの開発
Project/Area Number |
17360171
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川又 政征 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70153004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 正英 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90312602)
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Keywords | 映像 / フィルム / 信号処理 / 映像修復 / 拡大・縮小 / 雑音 |
Research Abstract |
19世紀末のフィルム映画の発明以来,大衆文化やマスメディアの記録媒体として膨大な量の映像が記録されてきた.これらフィルム映像の多くは,文化的,芸術的そして歴史的価値が高い.例えば,これらのフィルム映像は当時の文化や情勢,街並みを知る上で重要な資料となる.しかし,フィルムはその素材の化学的性質により経年劣化を避けられず,多くの映像情報が失われつつある.これらの古いフィルム映像は,大きく分けて次のような劣化を生じている. ・フレーム毎の位置ずれ ・フリッカ ・ブロッチ・スクラッチ ・その他のノイズ フレーム毎の位置ずれは,視覚的に映像が上下左右にランダムに揺れるように見える劣化である.この位置ずれは,手振れなどカメラ全体の揺れに起因するものの他に,カメラ内部のフィルム送り機構の同期の不安定性やフィルムパーフォレーション(送り穴)の精度不良により生じる.フリッカは,フレーム毎に輝度値がランダムに変化し,映像がちらついて見える現象である.このフリッカは,カメラ内部のフィルム送り機構の不規則回転による露光時間の変化や現像時の発色むら,感光面の経年劣化などにより生じる.ブロッチは,フィルム保管時や上映時に生じるフィルム表面の剥離や,埃や髪の毛がフィルムに付着することにより生じる画素の欠落である.スクラッチは,フィルム表面の引っ掻き傷による縦方向の画素の欠落であり,上映時の映写機とフィルムの接触により生じる. 本研究では,上記のような古いフィルム映像の劣化を修復するディジタル信号処理について研究した.とくに,今年度は,上記の問題をそれぞれ扱うアルゴリズムとソフトウェアを整備し,次年度に向けての基盤技術の確立を図った.
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Research Products
(6 results)